コメが少なくなってきたので、佐久の山に出かけた。
山越えができないので、佐久南インターからアプローチした。
雨川ダムを過ぎたすぐ先の橋を渡って、ゲート前で駐車。
熊出没注意の貼り紙が木に巻いてあるのだが、書かれたイラストはあきらかにヒグマのそれである。
薄っすらと雪の積もった沢沿いの林道を行く。
自動車の轍がついているのは、ハンターのものだろう。
この時期は、クマよりハンターの方が怖い。
しばらく行ったところの分岐は、道標に従って左。
ヂゴク沢というこの沢を詰めたところが「日本で海から一番遠い地点」かと思っていたのだが、そうではなく、センガ沢という沢を詰めるのだった。
林道終点からは踏みあとになるが、「道」として整備はされておらず、基本的にはガレ場歩きである。
水流が消えてしばらくで、尾根が見えてき、そのやや手前に「日本で海から一番遠い地点」があった。
尾根に上がってみれば、きれいなミズナラ林でいいところだった。
30〜40年ほど前に伐採されたあと放置されたといったところか。
緩やかに北に登ったところがおそらく、左の耳。
榊山はさらに少し北のピークだが、左の耳よりやや低い。
ここで大休止。
移動性高気圧とはいえ、季節風が吹いていてやや寒い。
衣類をすべて着込んで休んだ。
ピークの東に実線と破線の道が記載されている。
このどちらかを使って下山しようと思い、左の耳から東への尾根に向かう。
このあたりは素直な地形でないので、ルートミスしないよう、やや気を使う。
スズタケが密生していたが、枯れていたので、ほぼ問題なかった。
下っていくと、小唐沢山の鋭鋒が格好よい。
ここまで展望のよいところがなかったので、小唐沢山に向かった。
右の耳からずいぶんもったいない急降下。
小唐沢山へは、標高差約150メートルの登りだが、沢の高巻きクラスの急登だ。
途中からは、木の枝を頼りによじ登って、ようやく山頂。
灌木が生えていて、大展望とはいかなかったが、小枝越しに周囲が見えた。
いくらか雲も出ていて、浅間山や八ヶ岳は見えなかった。
荒船山はすぐ目の前で、立岩岩峰群や鹿岳も案外、近かった。
両神山も見えていた。
立木につかまりながら鞍部へ戻り、破線路があるはずの谷へ入る。
ある程度想定してはいたが、案の定、道なし。
水流が少なく、両岸が崩壊した谷だったので、登った谷と同様、ガレ場下りで県道に出ることができた。
自動車に戻ったあと、まだ少し時間があると思ったので、新海三社神社を参拝していった。
参道の巨大なケヤキが圧倒的だった。
また、山ぎわには美しい三重塔があって、とても見飽きなかった。
神社に三重塔はおかしいかもしれないが、おそらくここは修験系の寺院だったのだろう。
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