秋立つ経ヶ岳
− 仲仙寺から往復 −

【年月日】

2016年7月31日
【同行者】 単独
【タイム】

駐車場(8:29)−五合目(10:16-10:20)−経ヶ岳(12:33-13:00)
−五合目(14:19-14:20)−駐車場(15:32)

【地形図】 薮原 宮ノ越 伊那 宮木 ルート地図

 仲仙寺は、立派なお寺だ。
 だが、歩き出しが遅いので、お参りはあとにして、登山道に入る。

 しばらく水平道を行き、道標に従って広い道を登る。
 小沢を渡るあたりから普通の登山道になる。
 周囲は、アカマツ混じりの雑木林である。

チチタケ(大きな写真)
オオバギボウシ(大きな写真)

 チチタケの群生がさっそく目を引く。
 とって行って、大休止の時に食べてもいいのだが、この先の登りを考えると、そんな余裕がない。
 先行している方々がきのこに関心がありませんようにと念じて、写真だけ撮って先を急ぐ。

オオバギボウシ(大きな写真)
ヤマジノホトトギス(大きな写真)

 コースは、尾根をまっすぐ登るのでなく、しばらくトラバースを繰り返したのち、尾根にとりつく。
 尾根に上がると、部分的に急登もあるが、概ね尾根の南側を行くので、地形図から想像するよりずいぶん歩きやすくできている。
 とはいえ、この日も先日の二王子岳同様蒸し暑く、きつい登山になりそうだった。

 汗を絞りながらかなり登ったところで、四合目。
 ダムからの登山道がここで合流する。
 音を上げたいところだが、まだ四合目だから、ここは休まず行く。

ヤマジノホトトギス(大きな写真)
オトギリソウ(大きな写真)

 周囲は、ヒノキ林になるが、アカマツは相変わらず多い。
 登山口の標高が約950メートル。
 山頂が約2300メートルだから、標高差にして1350メートルになる。

フシグロセンノウ(大きな写真)
フシグロセンノウ(大きな写真)

 スズタケの密生する林床だが、登山道沿いに花は多い。
 ヤマジノホトトギス・オオバギボウシ・オトギリソウ・フシグロセンノウ・チダケサシなどが暑い中で咲いていた。

 五合目の小広場で小休止。
 ずいぶん疲れたが、ここまで飲まず食わずで登ってきたのだから、当然と言える。

オヤマリンドウ(大きな写真)
奇ブナ(大きな写真)

 その先は時おり、かなりの急登をまじえた尾根道である。
 六合目には、おかしな形をしたブナの大木がある。
 五合目から上部はカラマツの植林地になるのだが、ブナはみんな切られてしまったのか、大きなブナはこれだけだった。

ヤマサギソウ(大きな写真)
ヤマサギソウ(大きな写真)

 七合目は三角点のある小ピーク。
 少し下って、再び長い登りとなる。
 センジュガンピ・ソバナ・ヤマサギソウがいくつか目についた。

センジュガンピ(大きな写真)
ソバナ(大きな写真)

 八合目はコース中唯一の展望台で、お花畑になっている。
 ヨツバヒヨドリ・ヤナギラン・クガイソウ・ヤマトリカブトなどが咲いており、たくさんの蝶も舞っていた。

ヤナギラン(大きな写真)
ミヤマモンキチョウ(大きな写真)

 振り返ると望める高山は西駒ヶ岳あたりか。
 東側には伊那盆地を隔てて南アルプスが見えるのだが、この日は甲斐駒ヶ岳以外は、雲に覆われていた。

セリバシオガマ(大きな写真)
ヤマトリカブト(大きな写真)

 黒沢山に向かうと思しき明瞭な分岐を分けると九合目で、ここまで来ると多少の登り下りを交えつつ、ようやく山頂に着いた。
 展望は全くなく、宗教的モニュメントがいくつか置かれている。
 観音らしき石仏や、「経嶽天御中主神」と彫られた石柱などがあった。

キマダラヒカゲ(大きな写真)
ツマグロヒョウモン(大きな写真)

 ここでゆっくり休み、来た道を戻る。
 五合目で少し休んだが、基本的にはどんどん下った。
 ゴロ石帯や急降下がないので、いい感じで戻ることができた。
 チチタケもそのまま残っていた。

 下山後、仲仙寺を拝観。
 ひなびた中にも立派な伽藍で、江戸時代に掲げられた額があまり色褪せずに残っていた。
 馬を使った運送業に従事する人々の信仰が篤かったのか、馬の絵の描かれた絵馬も多かった。

経嶽天御中主神(大きな写真)
仲仙寺(大きな写真)

 思ったより早く下山できたので、グリーンファームでキャベツ苗を買うこともできた。