広大なカヤトを行く
− 高松山 −

【年月日】

2015年10月22日
【同行者】 単独
【タイム】

駐車スペース(9:04)−西尾根入口(9:10)−高松山(9:51)−星糞峠(10:33-11:26)
−虫倉山(11:52)−星糞峠(12:23)−駐車スペース(12:45)

【地形図】 霧ヶ峰 和田 ルート地図

 松沢林道入口のゲート付近のスペースに自動車をとめづらかったので、もう少し行った広いところにとめた。
 ピーク西の肩への登り道はなさそうだったので、廃道化しつつある作業道に入った。

 ほぼ全面的にカラマツ林だが、きのこの季節は終わっており、チャナメツムタケやキヌメリガサが少々出ていただけだった。

広大なカヤト(大きな写真)
チャナメツムタケ(大きな写真)

 作業道はかなり上部までつけられていたが、それを使うと時間がかかるので、途中から道のないところを直登した。
 上部ではミズナラも多くなる。

 カヤトの頂稜部を望む平坦地から傾斜が出てくる。
 広大なカヤトにはカシワとアカマツが点々と生えており、独特の景観を見せていた。

 ごく薄い踏みあとがあるものの、基本的にはススキをかき分けながらの登りとなる。

霧ヶ峰(大きな写真)
アカマツ点在するカヤト(大きな写真)

 尾根にたどり着くと、蓼科山、霧ヶ峰から美ヶ原にかけての大展望が広がる。
 快晴ではあるが、薄い靄がかかっていたので、今ひとつ見晴らしの明瞭さには欠けた。

 展望のよい稜線を東へ向かう。
 三角点もまた、ススキに埋もれていた。
 ここで休めれば気分がよいのだが、火を使うことができる場所でなかったので、さらに東に向かった。

 カヤトに埋もれたリンドウを一株見つけることができたのは、ラッキーだった。
 樹林に入るとススキがないのだが、さほど歩きにくくないので、基本的にはカヤトを漕いでいく。
 尾根の広いところはルートどりにやや気を使った。

 カラマツ林を下って行くと星糞峠で、大きなあずま屋と仮設トイレがあった。
 ここで大休止。

リンドウ咲く(大きな写真)
遺跡の大アカマツ(大きな写真)

 帰るにはまだ早い時間だったので、星糞峠から虫倉山に向かった。
 峠一帯は、旧石器時代から縄文時代にかけて、黒曜石の生産地であり、石器の工房があったところだ。

みすぼらしいコガネタケ(大きな写真)
虫倉山山頂の祠(大きな写真)

 現地の説明板によれば、虫倉山から噴出したマグマによって生成した黒曜石が斜面に散らばったとのことだが、原石の産出地は想像していたよりずっと狭い範囲で、地表の原石は早くに消費され、その後長きにわたって、地中に埋もれた原石が採掘されたのだった。

 黒曜石産出地はもっと広大に広がっているのかと思っていたが、実際には、峠周辺のほんの一角に過ぎなかった。
 これでは、総産出量もさほどではなかっただろう。
 黒曜石鉱山としては、和田峠や麦草峠のほうが、星糞峠よりはるかに大規模だったのだろう。

 鉱山あとを登って行くと、安山岩の露頭があり、尾根になる。
 こちらの尾根にはやや鮮明な踏みあとがついており、上部でカヤトも出てくる。

ヒメジョオン(大きな写真)
ダンコウバイ色づく(大きな写真)

 カヤトは歩きにくいので、カラマツの生えたところを登って行く。
 山頂直下に作業道があったので、何か花が咲いてないかと思ってそちらに入ったが、なにもなかった。

 作業道を見限って、ピークへ登って行くと、春に反対側から登りついた頂稜に着いた。
 前回は雪に埋もれていた三角点を確認しようとしばし歩きまわってみたが、三角点は見当たらなかった。

ミズナラ燃える(大きな写真)
和田宿温泉ふれあいの湯

 帰りは素直に尾根を下った。

 星糞峠から自動車に戻ったあと、和田宿温泉ふれあいの湯で汗を流して帰った。