倒木帯を行く
− 石仏から会社平−

【年月日】

2014年10月17日
【同行者】 単独
【タイム】

ゲート前(8:57)−とりつき(10:04)−石仏(10:43-11:09)
−弥次ノ平(11:56)−会社平(12:37)−弥次ノ平(13:03)
−ゲート前(14:17)

【地形図】 信濃中島 浜平 ルート地図

 ダートの林道に入ってしばらく行くと、一平沢出合のやや手前にゲートがある。
 駐車スペースはそれなりだが、回転場所もここしかないので、隅に寄せて自動車をとめた。
 もう少し先まで入れるかと思っていたのだが、林道歩きが長くなりそうだと思った。

ゲート前の馬頭尊(大きな写真)
巨ツガと山ノ神(大きな写真)

 歩き始めてすぐに、ツガの巨木の根本に祀られた二基の山ノ神を見る。
 ここで拝礼するのがこの山に入るしきたりなのだと思って、拝礼。

 栗生川の源流はときおり堰堤があるものの、まずまずよい渓相で、流れの緩いところに定位するヤマメらしき魚影も見えていた。
 道ばたの木々の紅葉は進みつつあったが、緑もまだずいぶん残っていた。

 1時間ほど歩いて、取付きと考えていたカーブに着いた。
 沢はすぐに二股となるが、左の沢に沿って薄い踏みあとがついていた。

 周囲はカラマツ林だが、ハナイグチは全く見あたらず、キヌメリガサが点々と出ていた。
 踏み跡は苔むした源流ですぐに消えてしまう。
 赤火岳の時のような手強い笹ヤブに会わないよう願いながら、道のない小尾根を登ることにした。

苔むした源頭(大きな写真)
キヌメリガサ(大きな写真)

 石仏直下までは順調だったが、傾斜がきつくなり、黒木のヤブが濃くなってきたので、県境稜線にトラバースしてヤブを避けた。

 県境の踏みあともたいへん薄く、歩きやすいところを選んで登っていく状態だったが、さほど苦しい思いもしないで三角点に着いた。

大蛇倉山か(大きな写真)
甲武信ヶ岳(大きな写真)

 測量のため、東南方向が伐開されており、甲武信三山や金峰山が遠望できた。
 ここで大休止。

 元気を取り戻した後、弥次ノ平方面へ下る。
 石仏から会社平までの区間のスズタケは完全に枯れており、枯れササが残っているため歩きにくくはあるが、ササのために進みづらい状態ではなかった。

御座山(大きな写真)
会社平にあった古い道標(大きな写真)

 問題はむしろ倒木で、大小の倒木が踏みあとを覆っており、それを跨いだり潜ったりするのに、エネルギーと時間を消費した。
 弥次ノ平は小広い平坦地だが、倒木と枯れササに埋め尽くされていた。

カベンタケ(大きな写真)
ツガの森(大きな写真)

 そこからの登りにササはないが、倒木は相変わらず多かった。
 尾根上はおおむねツガの林で巨木というほどの木は見当たらないが、自然度の高いところのように見えた。

 高いところに登りつき、少し下ったところが会社平のはずである。
 地形図には、ここから北相木に下る破線路が記されているのだが、その道は痕跡すら見つけることができなかった。
 御座山への尾根はとりあえず歩行は可能のようだったが、行けるかどうかはわからなかった。

三つ又ツガ(大きな写真)
オオモミジ紅葉(大きな写真)

 御座山分岐点付近に、弥次ノ平と書かれた古い私製の道標ともう一つの新しい私製道標がかかっていた。
 しかしここは会社平のはずである。

 様子がだいたいわかったので、下山にかかる。
 来た道を弥次ノ平まで下り、笹ヤブを南に押し下れば、すぐに廃林道に出て、瀬音が聞こえる。
 林道を少し下れば流れを渡るから、縦走の際に幕営するならここだと思う。

イタヤ黄葉(大きな写真)
オオイタヤメイゲツ紅葉(大きな写真)

 その少し先に今も使われていると思しき伐採小屋があり、とりつき点もすぐだった。
 帰りの林道歩きも長かったが、渓や紅葉や落ち葉を眺めながら歩いたので、さほど飽きなかった。

オオカメノキ落葉(大きな写真)
滝見の湯

 まだ早い時間だったので、南相木の滝見の湯に寄ってみた。
 平日とあってお湯はすこぶるきれいだったし、客もほとんどいなかったが、塩素の匂いが気になるお湯だった。