早春の風情を楽しむ
- 戸谷峰 -

【年月日】

2009年5月2日
【同行者】 単独
【タイム】

野間沢橋(8:14)−戸谷峰(9:53-10:20)−六人坊(11:30)
三才山峠(11:45)−烏帽子岩(12:27-12:37)−野間沢橋(14:25)

【地形図】 三才山 

ニリンソウには早い
ジュウニヒトエはそろそろ終わり

 連休初日とあって道路はたいへん混んでいたが、渋滞は免れた。
 野間沢橋手前のスペースに自動車をとめて、鉄階段から巡視路を登っていく。

 新緑の山に、ヤマガラ、センダイムシクイ、シジュウカラ、ヤブサメ、ツツドリなど野鳥のさえずりが響き、盛春の風情いっぱいだ。
 足元には、ハルリンドウ、エイザンスミレ、ユリワサビ、ムラサキケマンなどが咲く。
 ヒトリシズカはもう終わっていたが、ニリンソウはこれからで、丸いつぼみをたくさん持ち上げていた。

 小尾根に上がると、右がカラマツ、左がアカマツの乾いた道で、草花も少ない。
 72号鉄塔下あたりには、センボンヤリの小さな花。

タチツボスミレ
クリンユキフデ

 鉄塔の先は、左から巻き登る。
 小さなタチツボスミレを見て過ぎると、主稜線が近い。
 このあたりには、クリンユキフデがたくさん咲いている。地味な花だが、そうどこにでもあるものではない。

 主稜線から戸谷峰までは、花が多くて楽しい。

 コガネネコノメソウ、タネツケバナに似た花、ヤマエンゴサク、エンレイソウ、アズマイチゲなどが点々と咲く。
 ニリンソウはまだこれからで、バイケイソウは芽吹いたばかりだ。

アズマイチゲ(大きな写真)
ヤマエンゴサク(大きな写真)

 灌木が多くなると、すぐに山頂で、乗鞍岳から鹿島槍までの大展望が得られる。
 春だから、空気は今ひとつすっきりとしないが、これだけ見えれば上出来だ。

 山頂周辺の木陰には、コキンバイやヒメイチゲ、フデリンドウも咲いていた。
 フデリンドウのまわりには、ヒメギフチョウらしき蝶がせわしく飛び回っていたが、写真に収められなかったのは残念だった。

槍ヶ岳遠望(大きな写真)
フデリンドウ(大きな写真)

 ここで一息入れて鞍部に戻り、今度は直進して六人坊をめざす。
 ここからは、しっかりしてはいるが薄い踏みあとを行く。

 シジュウカラやコガラがあちこちで遊んでいるので、カメラを向けるが、なかなかよい写真は撮れない。
 このあたりはやせ尾根が続くのだが、ヒメイチゲの可憐な花がずっと続く。

 六人坊は展望のないピーク。
 すぐ先の三才山あたりからは、独鈷山や夫神山、子檀嶺岳などが見える。

 三才山で踏みあとを失ったので、尾根通し下って、車道の三才山峠。
 峠の由来を記した看板が立っているが、峠道は跡形もない。

コガラ遊ぶ
コキンバイ

 ここからはしばらくは、林道歩き。
 西側には、海坊主のような戸谷山が見え、はるかに北アルプスが望まれる。
 林道の両側にはバッコヤナギが咲き残り、フキノトウが惚けていた。

ヒメイチゲ(大きな写真)
フキノトウ

 水場を過ぎ、烏帽子岩登山口という道標に導かれて、再び登山道に入る。
 烏帽子岩は林道からも見えるのだが、鋭い尖塔状の岩だ。

 緩やかに下っていくと、烏帽子岩横の岩峰。
 小さな祠があり、烏帽子大権現社と書いてあり、わきには、故和合一彦君遭難之碑という碑もある。
 積雪期に登られる山ではないから、転落事故があったのだろうか。

烏帽子岩
ツマキチョウ?

白いスミレ
ヒガラ遊ぶ(大きな写真)

 ひらひらと飛んでいた蝶は、ツマキチョウだろうか。ヤマキチョウではなさそうだ。よくわからない。
 少し下ると、ヒガラがからみつくように飛び回る。
 近くに巣があって、警戒しているようだった。

 その先は、カラマツ林の中のゆるやかな下りが延々と続いて、快適なところ。
 高度を下げるに従って、登山口で見られたような花々が足元を飾る。

イワボタン(大きな写真)
フタバアオイ

 ワチガイソウ、ユリワサビ、ニリンソウ、イワボタン、ヒトリシズカ、ヤマエンゴサク、エンレイソウ、フタバアオイなどを愛でながら下っていくと、山畑に出る。
 廃道化した旧国道をしばらく行って、スギ林をずり登って、自動車の行き交う車道に登り、自動車のところに戻った。