巨トチと大展望
- 茂来山 -

【年月日】

2009年4月19日
【同行者】 単独
【タイム】

霧久保沢ゲート(9:47)−こぶ太郎(10:38)−茂来山(13:17)
−霧久保沢ゲート(12:50)

【地形図】 海瀬 ルート地図

ハシリドコロ芽生え(大きな写真)
こぶ太郎の幹(大きな写真)

 いかにも陽春らしい一日、せっかくの天気なので精米山行。
 好展望の佐久・茂来山をめざした。

 高速道路料金値下げの恩恵を受けたのは、初めてだった。
 佐久インターからコイン精米機を探しながら、旧佐久町へ。
 秩父事件史跡を訪ねる以外の目的で抜井川沿いに来たのは初めてかもしれない。

 霧久保沢に架かる橋の手前から林道に入る。
 途中、たたら遺跡の看板もあるが、遺跡としての整備がされていないので、見る意味はなかった。
 ゆるゆると走ると、ゲート前の広い駐車場に着いた。
 この山は国有林らしい。

キベリタテハが多かった(大きな写真)
巨トチ(大きな写真)

 最初は林道歩き。
 ハシリドコロがたくさん芽生えている。
 さすがにこちらは秩父に比べて、春の進みも多少、遅いようで、カラマツはまだ芽吹いていない。
 樹林では、ヤブサメ、シジュウカラ、センダイムシクイなどの声が聞こえていた。

 登山道に入っても、ブルでこしらえたような、幅広く緩やかな道が続く。
 早春の小沢では、きらめく流れのわきで、コチャルメルソウやツルネコノメが咲いていた。

 しばらく歩くと、巨トチ。
 「巨木100選」に選定されているとかで、観木のためのベンチや立派な説明板が作られていた。

 ベンチは巨木のすぐわきに作ってあるので、これを造成するための工事で根を傷めたのではないかと危惧される。
 「こぶ太郎」と名づけられたその木は主幹に大きなこぶをいくつも持ち、太い大枝を張りだした、立派なトチだった。
 とても馴れ馴れしいキベリタテハが、あたりを舞っており、ザックや頭の上に、とまったりした。

 しばらく登ると、もう一つの巨トチ。
 幹の太さや枝ぶりは、「こぶ太郎」以上の立派なトチだ。

赤岳遠望
両神山が近い

 ここから上は、沢の源頭状のガレ場。
 葉がないのでわかりづらいが、サワグルミやカツラの若木が生えているところだ。

 ルリビタキやシジュウカラの声が響いていたのだが、すぐ前の枯れ木にミソサザイがとまった。
 シャッターチャンスの少ない鳥なのに、望遠レンズの装着が間に合わず、撮影できなかったのは残念だった。

 急なところをジグザグに登っていくと、尾根の上にミズナラの大木が見え、ツガの木も目につき始める。
 頂稜の西には、ブナもあるが数は少ない。
 南側はカラマツ林だった。

シジュウカラがさえずる
ツルネコノメソウ(大きな写真)

 山頂は、肩からダケカンバの多い急登少し。
 展望絶景で、東に両神山や西上州の山々、北には浅間山や群馬の山々、西には美ヶ原から霧ヶ峰方面と八ヶ岳全山、南に奥秩父を望むことができた。

 両神山はずいぶん近い。
 高速道路を使うより、峠越えの国道を来た方がずっと近いだろう。
 春霞のためすっきりしていなかったとはいえ、胸のすく景観だった。

 山頂はいささか賑やかだったので、すぐに下山にかかる。
 野鳥が多いので、のんびり下りながら望遠レンズで鳥をねらってみたが、あまりいい写真は撮れなかった。

竜興寺
畑ヶ中で見たしだれ桜

 下山後、久しぶりに竜興寺を訪れてみた。
 花桃や桜が美しく咲いており、留守なのか、本堂の扉も閉じたままだった。

 佐久市内で精米していく必要があったので、来た道路を戻ってみた。
 余地峠への道を分けた先で、小さな墓地にしだれ桜の古木がみごとな花を咲かせていた。
 著名な木でないかも知れないが、妖艶な姿の印象的な桜だった。