たどり着いたらいつも雨降り
- 夏の名残の雨飾山 -

【年月日】

2005年8月28日
【同行者】 単独
【タイム】

小谷登山口(7:10)−荒菅沢(8:27)−笹平(9:21)−雨飾山(9:50-10:07)
笹平(10:32)−荒菅沢(11:20-11:54)−小谷登山口(13:03)

【地形図】 雨飾山 ルート地図
【関連ページ】 夏の名残の雨飾山

荒菅沢から岩峰群を望む
荒菅沢のほとりに咲くオオバミゾホオズキ

 小雨模様の天候にもかかわらず、小谷温泉奥の登山口には自動車がいっぱいだった。

 大海川に沿う氾濫原には、小沢が縦横に走っており、ちょっとした湿原になっている。
 ツリフネソウ、キツリフネ、ピンクのツリフネソウ、センニンソウなどが咲いているものの、夏の花は終わった感じ。
 小沢のそこここにイワナが定位しているが、ここは禁漁だという表示がしてあった。

 ミズナラ、ヤナギの大木を見ながら氾濫原を行き、ブナ林の斜面に取りつく。
 のっけから急登で、歩き出しに着ていた雨合羽がじゃまだ。

 チチタケ、ツチカブリ、ツエタケ、ハナホウキタケ、ヒメコナカブリツルタケ、ドクベニタケ、ドクツルタケ、オニイグチモドキ、ウラムラサキその他名前のわからないベニタケ科のきのこがそこここに出ているが、今にも土砂降りになりそうな雲行きのため、きのこを見ている余裕がない。
 周囲は立派なブナ林だが、倒木や立ち枯れに出ているのはヌメリツバタケモドキばかり。

 小さなアブが飛び回っていて、そいつらが隙あらば耳の中に飛び込んでくるので閉口。
 おれの耳はおまえらの家ではない。

岩壁とサラシナショウマ
山頂にルリボシカミキリがいた

 急登をこなすと、しばし平坦な道となり、ついでジャコウソウ、ツルニンジンが咲く、荒菅沢への下り。
 荒菅沢にもどんよりとガスがかかっていた。
 沢の縁には、オオバミゾホオズキとカラマツソウ、モミジカラマツ、オニシモツケなどが咲いていた。

 沢を渡るとしばしの急登。
 アキノキリンソウ、クロバナヒキオコシ、ツルリンドウなどが咲くブナ林だが、まもなく森林限界の上で、大岩壁が望まれる。

 ガレ場まじりの小尾根に出ると、さらに展望がよい。
 ソバナ、ヤマトリカブト、タテヤマウツボグサ、ミヤマママコナ、オヤマボクチ、サラシナショウマハクサンフウロ、コゴメグサ、ツリガネニンジン、コキンレイカなど、晩夏の花が至るところに咲いていた。

 笹平という表示のある主稜線に立つと、平坦な草原でほっとする。
 ここからは、花を見ながらの稜線漫歩。

 前述の花に加えて、トモエシオガマ、エゾシオガマなど夏の花がいくらか咲き残っているが、なんといっても多いのは、オヤマリンドウ、ヤマトリカブトと各種アザミ類など紫色の花で、秋の風情をかき立てる。

 梶山新湯の分岐を過ぎてクガイソウ、マルバダケブキ、オタカラコウ、オオバキボウシなどの名残の花を見ながら荒菅沢の源頭をトラバースすると、最後の登り。
 マツムシソウやダイモンジソウ、ハナイカリなどが足もとを飾る。

 雨飾山のピークには、団体登山者がひしめいていたので、石仏の並ぶ北のピークで小休止。
 ここまで休まず来たので、少々疲れた。
 ガスのため、展望は皆無。
 どこから飛んできて何をしているのか、ルリボシカミキリが草の上を歩いていた。

イチモンジチョウ
ドクツルタケ

 帰りは来た道を戻る。
 ガスがいくらか晴れて、糸魚川方面の街や周囲のブナ林、大岩壁などを見ることができてよかったのだが、荒菅沢で大休止していたらまたガスが低くなってきた。

 登山口近くのミヤマシシウドの花の廻りでは、アサギマダラが群舞しており、少し弱ったイチモンジチョウがふらふらと飛んでいた。
 ルリタテハが地面にとまったのでそっと近づいたが、うしろから近づいてきた登山者に驚いて飛んでってしまった。