展望と草花と炎熱と
- 黒姫山 -

【年月日】

2005年6月25日
【同行者】 Uさん
【タイム】

大橋(8:40)−新道分岐(9:50)−白玉平(11:35)−黒姫山(12:11)
七ツ池分岐(12:21)−新道分岐(3:35)−種池(16:55)−種池登山口(17:14)

【地形図】 高妻山、信濃柏原 ルート地図
【関連ページ】 初夏の北信黒姫山

ベニサラサドウダン
御巣鷹山のかなたに妙高火打山

 大橋駐車場には、意外なほどたくさんの車がとまっていた。
 周囲はエゾハルゼミのセミ時雨。

 広い大橋林道を行くので、歩き出しからたいへん暑い。
 名残のタニウツギがあちこちに咲いているが、この暑さには不似合いだ。

 足元に見える花は、えび茶のヤマオダマキ。
 ウツボグサやチダケサシのつぼみが伸びている。

 ようやく山道に入ると、周囲はカラマツ林。
 クワガタソウ、ズダヤクシュ、タニキキョウ、ギンランなど、小さな花が咲いていた。

 新道分岐で小休止。
 ここからはブナの自然林。
 センダイムシクイ、アオジ、コルリ、コマドリがさえずる、気分の良い森だ。

 傾斜がでてきてしばらくは我慢の登り。
 ナナカマドやツツジが多くなると、樹林越しに下界も見える。
 このあたり、サラサドウダンツツジの大木が咲いているようすは、たいへんみごとだった。

 ダケカンバの疎林になると、尾根も近い。
 尾根に登りきると、オオシラビソの樹林帯。
 ゴゼンタチバナ、マイヅルソウ、ツマトリソウがたくさん咲いていた。

 ミツバオウレン、イワカガミ、ツバメオモトなどが出てきて白玉平。
 木陰で、ネマガリタケ取りのおじさんが休んでいた。  小広い展望台からは、戸隠連峰、妙高火打・焼山、飯縄山などが一望できた。
 飯縄に雪はなかったが、高妻・乙妻はまだらな残雪、妙高はまだたっぷりの雪に覆われていた。

 いったん下って、鞍部からしばしの急登で山頂。
 おおぜいの老若男女が憩っていた。
 暑気に当たったらしいUさんを鞍部に残してきたので、すぐに引き返し、鞍部から七ツ池方面へ下る。

 石がごろごろしていて歩きにくいが、ここのオサバグサ群落はすばらしい。
 ちょうど見ごろに開花した花が、樹林の至るところに咲いていた。

 下りきったあたりには、オサバグサのほかコミヤマカタバミ、サンカヨウも。

峰の大池
峰の大池のほとりで桜が咲いてた

 七ツ池は小さな池を配した広いササ原だが、ササがずいぶん枯れており、まるで早春のようだ。
 峰の大池あたりに腰を下ろすところがないかと思ったが、なにもないので、休まず歩く。
 池の端では、遅いヤマザクラが咲いていた。

 大池を過ぎるとまた樹林帯で、あちこちに残雪を見る。
 雪解けあとにはショウジョウバカマやエンレイソウ、キクバオウレンなどが咲いていたが、早春のような花々とひどい暑さがまったくつり合っていない。

 下りになったあたりのネマガリタケのヤブをよく見ると、ほどよい大きさのタケノコがごくたまに出ているのが見えた。
 だらだら下っていくと、道は南にカーブし、笹が峰への分岐を過ぎ、葉っぱの伸びたミズバショウが出てくると、大ダルミ。

 ここは、ミツガシワの咲く広い湿原。

ミツガシワ咲く大ダルミ湿原
同定できないカミキリ

 木道が敷かれていないので、立ち入りは遠慮したが、レンゲツツジなども咲いているので、できれば一回りしてみたいところだ。

 道ばたに腰を下ろして、空きっ腹なのに酒を飲んだら、ひどく酩酊した。

 引き続き平坦な道をしばらくで、最初に通った新道分岐。
 ここは、古池方面に向かう。

 古池はちょっとしたダムになっているが、池の北端は湿原化しつつある。
 株数は少ないが、アヤメが咲いていた。
 樹林帯ではベニバナイチヤクソウやベニバナヤマシャクヤクも咲いていた。

 種池はほぼ湿原化したところ。
 クリンソウの咲く登山口まではもうひと下りだった。