名神高速を降りてから先がとても長い。
行きは、栗東インターから琵琶湖大橋を渡り、国道477号を大原から百井に越え、さらに花背・広河原を抜け、佐々里峠を越えて美山町に行き着いた。
途中休憩を入れて、約10時間半。大原から広河原にかけての山越えは、神経も使うので、かなり疲れた。
この日は、美山町自然文化村に幕営した。
オートキャンプ場だが、なかなか混雑していて、結構なことだ。
もっとも、本格的に寒くなる前の晴天予想の三連休であるから、混んでないと困るだろう。
瀬音・源流部会のメンバーを中心として、今回は8名の珍道中なのであったが、まもなく全員の顔が揃った。
キャンプやアウトドアの達人ばかりなので、キャンピングテーブルの上には、あっという間に食べ物と酒が並び、宴会が始まる。
翌朝の歩きのことを考えて、この日は比較的早く寝に着いた。
2日目の朝、研究林前の駐車場に自動車をデポして、佐々里峠へ向かう。
佐々里集落手前に、美山高校の建物がある。
人気がないので、廃校なのかと思ったが、全日制は募集停止だが、ネット通信課程はまだ稼動しているらしい。
途中の府道沿いに、栃の実採取禁止という看板が出ているのが、目を引いた。
峠から少し登ると、ブナの尾根になる。
巨木はないが、いい感じだ。
ミズナラはほぼ枯れ尽くしているのだが、立ち枯れにナメコが点々と出ていた。
灰野との分岐は、小野村割岳方面に入る。
ここからは尾根道の淡々とした登降が続く。
ナメコは相変わらずところどころに出ており、ヒラフスベやマスタケも見つかった。
杉の大木も時おり見られて、その大きさに感心させられる。
あまり急がず2時間ほどの歩きで、赤崎尾根の下降点。
ここには、ガランドウの大杉がある。
しばし休んで、赤崎尾根をゆるゆると下る。
杉をひとつひとつ、じっくり鑑賞しながら行く。
ここは、そういう歩き方をするしかない。
芦生の杉には、ひとつとして同じような樹形の個体がない。
すべての杉たちが、個性を主張しながら、ブナやトチと共生しているのである。
3年前に来た時と比べて時期がやや早かったために、杉の樹上に生えたカエデやコシアブラはまだ紅葉していなかった。
とはいえ、樹上の大木もまた、見応えがあった。
傾斜が急になると、沢も近い。
最後は、高巻きのような急傾斜で赤崎谷、ついで由良川本流に降り立つ。
まるで入川のような軌道あとなので、なんだか見慣れた風景なのだが、少し下った河原で、大休止とした。
河原の岩には苔が密生し、ダイモンジソウがそこここに咲いていた。
由良川の流れ
| ダイモンジソウ咲く
|
由良川は、傾斜のない、緩やかな川だ。
その流れのように、ゆったりした時間が過ぎていく。
事務所前に着いたのは2時過ぎだった。
計画ではここから朽木に移動して幕営するつもりだったが、ガソリンも少なくなり、疲れもあったので、美山町自然文化村に戻って、連泊することにした。
それならすぐ近くなので、正直言ってほっとした。
文化村の風呂で汗を流して、前夜同様の宴となる。
いただいてきたばかりのきのこを、煮たり炒めたりして、それなりの料理ができていく。
焚き火台でささやかな焚き火も始まって、話もはずみ、時間はずいぶん遅くなった。
夕焼けのキャンプ場
| きのこ鍋やきのこ炒め(大きな写真)
|
最終日は各自、自宅へのロングドライブとなる。
広河原から府道を久多に越えると、道は走りやすくなり、すぐに国道367号に出る。
昨年えんえん歩いたこの道を、朽木の道の駅まではすぐだった。
この日は、湖北を回って木之本インターから高速道路に入ったが、渋滞もなく、薄暗くなるころには、秩父に戻ることができた。
|