展望の尾根を歩く
−雪のリトル比良−

【年月日】

1999年1月2日
【同行者】 2人
【タイム】

長谷寺(11:25)−岳山(12:45)−オウム岩(1:40)−
岩阿沙利山(2:30)−寒風峠(3:45)−げんき村(4:40)

【地形図】 北小松、勝野

オウム岩から岳山

 埼玉を深夜に出て中央道、名神、湖西道路を走って北小松のげんき村に自転車をデポし、登山口の長谷寺から登り始めたのは、ちょっと遅い時間だった。

 ここの登山道にも、マツタケ所有権を示す汚いビニールテープが張りめぐらされていた。
 コナラとアカマツの混成林にサカキの下生えが混じる、畿内の典型的な低山の様相だ。
 マツタケ道らしい枝道が錯綜するが、岳観音堂への手書きの道標があるので、まちがうことはない。

 賽の河原というところに、石仏が二体。
 観音堂への参道にあるのだから仏像であるはずだが、神像のような雰囲気を持っていた。

 少し傾斜が出てくると、岩が露出して石灯籠の立つところ。
 南側の尾根がよく見える。

 積雪は少ないが、サカキやアセビの枝にこぶし大のミゾレのかたまりがついていて、それがときおり落下して爆発音をたてる。
 あれが落ちて来ねばよいがと思っていたら、ミゾレ爆弾が首根っこで炸裂した。

 弁慶の切石を見ると、岳観音堂あと。
 荒廃したお堂があるかと思ったら、すでに残骸と化していた。

 ここから急な登りをしばしで、岳山。
 高島町の田園地帯をへだてて北にそびえる雪山が美しかった。

 大休止ののち、尾根を南へ。
 オウム岩からは、三年前のお正月に登った蛇谷ヶ峰が美しい。

 さすがに標高が低いだけあって、稜線の雪もさほどではないが、くるぶしが隠れるほどは積もっており、人間のトレイルはなかったので、下りはともかく登りは、多少きつかった。

 岩阿沙利山から急降下して鵜川越林道を渡り、滝山へ登っていくあたりが雪ももっとも深く、ササも茂っていて、歩きにくかった。
 軟雪の斜面を登っていくと、当然のことだが、踏み下ろした靴が1〜2センチほど沈む。
 チリも積もれば山となるで、このロスはけっこう大きいなあと思うが、下りの時には相殺されるので、真剣に考えるほどのことではないと気づいた。

 寒風峠からは雪も少なくなり、足跡もついていたので歩きやすかった。
 オトシは複雑な地形がおもしろいところなのだが、おおむね杉の植林になっているのが難点だ。

 涼峠に着いたのは4時を回っていたので、小休止も省略。
 楊梅の滝は水量がないのは残念だが、高さがあるので見ごたえがあった。
 げんき村には明るいうちに着けたが、高島町までのサイクリング途中で日が暮れた。