早春の武奈ヶ岳

【年月日】

1990年3月4日
【同行者】 単独
【タイム】

比良駅(7:45)−イン谷口(8:20)−金糞峠(10:25)−中峠
(11:23)−コヤマノ岳(11:35)−武奈ヶ岳(12:25)−ゴン
ドラ山上駅(1:50)−イン谷口(2:30)−比良駅(3:00)

【地形図】 比良山、北小松

霧氷のコヤマノ岳を背景に
 比良駅からイン谷口行きのバスは、まだ一時間は出ないというので、歩くことにした。

 正面谷では雪解け水がなかなかよい音をたてていた。
 この沢には数十メートルごとに巨大な堰堤がかかっていた。

 大山口あたりからの登山道には、落石がとても多く、あまり快適でない。
 石の落ちているところは急いで通り、落石のない所にくるとほっとする。

 青ガレの基部で左岸に渡り、ガレのふちを少し登り、最後はコケのついた安定していそうな石を選んでトラバース。
 ゴーロの多い沢のツメのあたりの雑木にタマキクラゲ。
 このきのこ、図鑑に食えるとは書いていないが、毒ではない。
 キクラゲとりをしていたら、おおぜいの登山者に抜かれた。

 金糞峠は、琵琶湖がよく見えて、感じのよい場所。
 峠の上は強い風が吹いていて、休む気にならないが、少し下ると、うそのように風はなくなった。

 峠を下るとすぐに水量のある沢。地形的に、何か変な感じ。
 沢を何度も渡り返し、ジグザグ登りとなる頃には、あたりはすっかり雪山。

 中峠も金糞峠と同様、風が吹いていた。
 ここからは、トレースはないが、天気がよいのでコヤマノ岳に向かうことにした。

 くるぶしくらいの軽い、快適なラッセル。

 上部までくると、いっきに展望が開け、比良岳方面の白い連峰が視界に飛び込んできた。
 目の前には堂満岳の秀麗な山容。
 はるか下には琵琶湖。
 コヤマノ岳からは白く光る武奈ケ岳。
 美しい山だ。
 シャカ岳から北の山もよく見えた。

 ゆるく下っていくと、神戸大ワンゲル部のテントが張ってあり、そこが登山道だった。

 八雲ケ原からの道と出合い、ついで赤ザレのえぐれた道の登りわずかで、西南稜の道と合わさり、12時半に、武奈ケ岳。

 三六○度の展望はいうことなし。
 コヤマノ岳は、ブナの木に雪がついていて、たいへん美しかった。
 蛇谷ヶ峰の雪は、上部のみだった。

 早々に下るのは惜しいが、登りに5時間近くもかけてしまった。
 だが、この日のうちに秩父に帰るので忙しい。

 下山ルートは、コヤマノ岳の神戸大テントから八雲へとった。
 スキー場の雪は完全に融けており、ところどころ地肌があらわれていて、登山者が尻セードを楽しんでいた。
 2時のゴンドラに乗り、リフトを乗り継いで、イン谷口についたのは2時半。

 比良駅には3時前。

 枚方に帰ったのが5時。5時半に枚方を出、新幹線や西武線を乗り継いで、秩父に帰ったのは夜12時前。

 さすがに疲れてしまった。