ワタスゲ揺れる湿原散策
−渋峠から芳ヶ平−

【年月日】

2011年7月18日
【同行者】 Uさん
【タイム】

渋峠(9:50)−芳ヶ平(11:20-11:30)−白根火山レストハウス(12:40)

【地形図】 上野草津 ルート地図

モミジカラマツ群生
モミジカラマツ(大きな写真)

 猛暑が続くが、草津白根山一帯は、真夏でもいつも涼しい。
 台風が来るという日の前に、一日あいたので、渋峠から白根火山レストハウスまで歩いてみた。

 白根火山はいつもたいへん混んでいる。
 この日は、9時前に駐車場に入ったのだが、マイカーが次々と駐車スペースを埋めていった。

 しばらく休んで、蓮池行きのバスに乗る。
 天候は快晴で、北アルプスや飯縄山が車窓からよく見えていた。

 乗客のほとんどが渋峠で降りた。
 渋峠のホテル界隈にいる観光客のほとんどは、横手山に登るリフトに乗っていく。
 こちらは、ホテルわきから登山道に入った。

 今日の山行きは、最初は下って、最後は登るコースだ。
 石の多いところを下っていくと、モミジカラマツが多いが、その他の花はさほどでもない。

アメリカウラベニイロガワリ
シナノオトギリ

 おおむねネマガリタケの下生えに、オオシラビソやカラマツの樹林帯だ。
 道ばたに、アメリカウラベニイロガワリのいい個体が出ていた。
 オオシラビソの菌根菌だろう。
 きのこの季節もそろそろだ。

 ダマシの平を過ぎて傾斜が少し出てくると、芳ヶ平を望むところに来る。
 赤い屋根の芳ヶ平ヒュッテが見えていた。

 下りついたところは芳ヶ平湿原の一角で、赤茶色の水流のそばで、シナノオトギリ・アヤメ・ワタスゲなどが咲いていた。

ツルコケモモ
アヤメは終わりかけ

 周回路の分岐から湿原に入ると、ワタスゲがちょうど見ごろだった。
 また、ツルコケモモの小群落があちこちで大開花していて、みごとだった。
 ここには、サギスゲ・ミズトンボなどもちらほら咲いていた。

芳ヶ平から白根山を望む(大きな写真)
湿原と池塘

 池塘の近くのベンチでしばし休憩していたら、空模様が怪しくなってきた。
 雨予報が出ていたわけではないが、蒸し暑く、いかにも雷雨を呼びそうな空気の様子だった。
 雨雲はどんどん成長していたので、降りだしまであと1時間を切っていると思われたが、白根山はまだ、見えていた。

サギスゲ
ワタスゲ

 芳ヶ平ヒュッテの手前の池塘にさしかかると、カルガモの親子が泳いでいた。
 親ガモが1羽、子ガモが5羽だったが、小ガモの大きさからして、どこからか飛来したとは思えず、この池塘で生まれて育ったものと思われた。
 抱卵中はまだ、残雪があったのではないかと思われるが、それにしても標高1800メートルの湿原でカルガモが繁殖するとは、ちょっと驚きだ。

 芳ヶ平ヒュッテでお茶でも飲んで、ゆっくりできればよかったのだが、雨が今にも降り出しそうだったので、休まずレストハウスへの登りにかかる。
 ハクサンシャクナゲが、ちょうど見ごろだった。

池塘とカルガモ
ハクサンシャクナゲ

 いくらか急いだが、登山道周辺はガスにおおわれ、まもなく雨が降り始めた。
 最後は降られたものの、さほど濡れることもなく、駐車場に戻ることができてよかった。