好展望の日だまり
−蟻川岳−

【年月日】

2001年12月8日
【同行者】 単独
【タイム】

演習林林道起点(10:50)−蟻川岳(11:45-12:05)−演習林林道起点(12:25)

【地形図】 中之条

嵩山から望む蟻川岳
 ひさびさに、仕事も何もない休日になったので、またまた、北上州の低山に出かけた。

 行き先は、中之条の独立峰、蟻川岳
 嵩山と対峙するように、中之条盆地の北にそびえている。
 地形図に登山道の記載はないが、群馬山岳移動通信によれば、登る道があるそうだ。

 登山口がわからないので、とりあえず、中之条高校演習林の林道入り口付近に自動車を止めた。
 この林道を終点までつめ、あとは急傾斜の支尾根を強引に登ってしまおうと考えた。

 林道入口には、演習林林道の石碑。
 周囲の植林地には、さほど手が入っているようすはない。
 ここで高校生が、どんな勉強をしているのかな。

 落ち葉がうずたかくわだかまったところがあると、山をほったらかして、落ち葉かきしたくなってしまう。

 地形図にあると同じ地点で、林道は終わり。
 ここから、予定どおり、支尾根にとりついた。

 両側の谷は、スギやヒノキの植林だが、支尾根の上は伐採あとがそのままになっていて、ツツジ類の下生えに、アカマツが多い。
 植生の遷移を学ぶには、よい実例だが、道がないので歩きづらい。

 ゆっくり登っていくと、上部には、コナラ、ヤマザクラ、リョウブ、エゴなどのある、20〜30年生の雑木林。
 このあたりまで登ると、ツツジが少ないので、歩きよい。

 傾斜はいったんゆるむが、最後はふたたび急登になり、バテて息が切れた。
 登りついたところは、蟻川岳の東峰で、この山の最高点だった。

 尾根の上にはりっぱな登山道があったのだが、結局、登山道をまったく通らずに、頂上まで登ってしまった。
 東峰からの展望はとてもよかった。

 小野子山、十二ヶ岳、榛名連山は、よく見えたが、おりしも逆光で、迫力は今ひとつ。
 浅間隠のかなたに、銀白に輝く浅間山。
 今年も、白い浅間を見る季節になったのだな。

 手前に、嵩山、吾嬬山、薬師岳。そのはるか向こうは白砂連峰。
 北の谷川連峰は、順光なので、とてもすばらしい。
 手前の送電線が、絶景をひどく傷つけてはいるが。
 東は、袈裟丸、皇海から錫ヶ岳まで。赤城山も少し見えるが、上の方はすでに冠雪していた。

 少し西に下ったところが、三角点のある西峰。
 標柱の上には、紅白の測量旗が立てられており、地蔵様のような顔をした、不思議な神様の石像と、三柱がまとめられた石祠が、山頂の一角に置かれていていた。
 祠に刻まれた文字は、ほとんど風化していたが、明治十七年という文字が読みとれた。

 ここもなかなか展望のよい上、風もやんだので、あたたかな日だまりで、昼寝をしたくなるほど、気分の良い山頂だった。

 帰りは、南西に下る道をとった。
 りっぱな登山道である上、測量のときに使ったとおぼしき目印が随所にあるので、迷うところは全くなし。
 ただし、どんどん下って、道路に出る少し手前で、道は消えた。
 結局、西側の登山口は、自動車を止めた林道入口なのだった。

 下山に要した時間はたった20分だった。
 そのあと、道路はたで、小1時間も落ち葉かきをして帰った。