クマザサとミズナラの尾根
−菅峰−

【年月日】

2001年11月17日
【同行者】 単独
【タイム】

須賀尾峠(10:00)−菅峰(11:25-11:45)−須賀尾峠(12:25)

【地形図】 長野原

菅峰から丸岩を見下ろす
ヤマアジサイ枯れ姿

 ちょっと忙しい毎日が続いたのち、平日3連休というごほうびがもらえると思ったら、その直前に、風邪をひき、横になる羽目になった。
 つくづく、おれは貧乏性だなぁ、と思ってしまうが、そろそろ体を休めなさいという、神様のおぼしめしだと考え直して、無理しないでいたら、ずいぶんよくなった。

 この土曜日も出勤日だったが、仕事も一段落したので、またまたお休みをもらっていたら、早朝からいい天気。
 こんな日にじっとしていられない遊び性だけは、どうしても治らないようだ。

 菅峰の登山口は、子育て地蔵のある須賀尾峠だが、道標はなし。
 覆屋の中に鎮座した地蔵様には首がなく、代わりに丸い石がのっかっていた。
 明治の民が地蔵を憎む気持ちはわからなくはないのだが、子育て地蔵の首を欠くとは、チト行きすぎというものだろう。

 あたりは完全に冬枯れて、初冬の風情。
 落ち葉を踏みながら、低山を漫歩する季節が訪れた。

 先日らい、落ち葉にすこぶる興味を引かれているのだが、なかなか見分けが進歩しない。
 ホオ、ミズナラ、コナラ、イロハモミジ、イタヤカエデ、ハウチワカエデ、イヌブナ、エンコウカエデなどがわかる程度。

 草木のたぐいもすべて枯れており、ヤマアジサイ、コアジサイ、ヤブレガサ、アキノキリンソウなどが、枯れ姿で立っていた。

 尾根にとりつくと、ミズナラが多くなる。
 ヤドリギのついた木も多い。
 30〜40年生の、元気にあふれたミズナラ林だ。

 菅峰へと続く尾根は、美しいクマザサの下生えにミズナラやカンバ類が多く、気分がよい。
 この感じは、浅間隠の尾根とそっくりだ。

 山頂を目前にして少し下り、急登すると、カヤトの尾根上。
 ここはなかなか展望がよい。

王城山から望む菅峰
 目の前に榛名連山。
 向こうには、赤城連山。
 かなたに見えるちょっと高いのはたぶん、皇海山だろう。

 小野子山塊や吾嬬山・薬師岳もよい。
 眼下には、丸岩をはじめとする岩峰群が、紅葉をまとって美しい。
 須賀尾峠から少し東にある1209mの岩峰が、とてもかっこよくて、心を引かれる。
 あれに登るルートは、あるのだろうか。

 北への踏みあとを少し行くと、今度は北側の展望が開ける。
 この日は冬型気圧配置とあって、白砂連峰と谷川連峰は、雪雲の中。
 王城山・高間山が無傷で見えたのは、うれしかった。

 菅峰の三角点は、カラマツの植林地を少し登ったところで、展望はなし。
 しかし、ふかふかした落ち葉のクッションに腰を下ろすと、とても幸せになれる。
 山頂で飲む一杯のお茶に酔い、しばし放心の時を過ごす。

 山頂から北への長くて緩やかな尾根には、踏みあとがついていた。
 王城山あたりから見るとき、とても印象的な尾根だ。
 この尾根を下って、群馬大津に降りられないだろうか。

 そんな思いを残しながら、来た道を戻った。