北風吹きつける吾嬬山

【年月日】

1994年11月27日
【同行者】 単独
【タイム】

鉄塔下(12:58)−石宮(13:25)−吾嬬山(13:34)−鉄塔下(14:23)

【地形図】 中之条、群馬原郷

岩櫃山から望む吾嬬山と薬師岳
 岩櫃山から下山したのが12時半ごろだったので、吾嬬山と薬師岳との鞍部を越える林道を探そうと中之条に戻った。
 吾嬬神社の横を左折し大竹から吾嬬の集落に入ったまではよかったのだが、ダートの林道はさらに奥へ延びており、とうとう稜線まで行ってしまった。
 そこは吾嬬山から北西に延びる尾根の一地点で、送電鉄塔が立っており、吾嬬山までひと息という感じのところだった。
 この日は下見だけにしようと思っていたのだが、まだ1時だったし、せっかくここまで来たので吾嬬山に登ることにした。

 鉄塔の下は展望がよく、真うしろに高田山が見えるのだが、写真を撮るには送電線がじゃまだ。
 鉄塔を過ぎると道はなくなり、ヤブこぎとなる。
 とはいえ、葉を落とした潅木ばかりなので楽なものだ。
 尾根の上を忠実に行くとちょっと傾斜がきつくなり、尾根が広くなって左に崩壊地を見る。
 登りきるとそこは主稜線で、小さな水たまりがある。

 その先は比較的新しいヒノキの植林地で、荒れたところなのだが、植林の北側に踏みあとがあったので吾嬬山直下までそれをたどる。
 すると今にも消えそうな古い道標があり、それに従って植林のなかの踏みあとをゆるく登っていく。
 ヒノキの植林はカラマツに変わるが相変わらず荒れた林である。

 傾斜がでてくるとちょっとした広場に石宮があるところに出る。
 石宮からはかなり急な登りとなり、ひさびさのハシゴ登山とあって息があがる。
 登りつめたところは吾嬬山の東の肩で、薬師岳方面からの登山道も上がってきている。
 ここからの登りもかなりきつく、何度か立ちどまりながらようやく登りきった。

 カラマツと雑木林に囲まれた吾嬬山の山頂は天気がよければ気分のいいところだと思うが、この日は雲はないのだが風花まじりの冷たい北西風が吹きつけており、山頂付近の木々をうめかせていた。
 展望は樹林ごしで十二ヶ岳方面が少し開けている程度だった。
 さっき登った岩櫃山は直下の下りで樹林ごしに見えていた。
 ようやく空腹となったが、じっとしていられないほど寒いので、早々に下山にかかり、石宮まで下って昼食とした。

 石宮も風を避けるものがなく寒かったが、暖かいうどんとコーヒーを腹に入れ、どんどん下った。
 結局大休止もふくめて1時間半もかからなかったが、山の荒れようと寒さとで吾嬬山にはあまりよい印象を持てなかった。