近くて遠い王城山

【年月日】

1993年11月7日
【同行者】 単独
【タイム】

鉄橋下(7:24)−唐傘木(8:26)−林道(9:28)−炮碌岩(10:15)
−古城(10:47)−唐傘木(11:30)−鉄橋下(11:58)

【地形図】 長野原

ホッパから望む王城山

後景に浅間山(左)と浅間隠山(右)
 川原湯を過ぎ、林集落への入口から少し入った吾妻線の鉄橋の下に自動車をとめ、林の集落の中をのんびりと歩いていく。
 林は山間の集落だが比較的水田が多い。
 ちょうど刈取りの時期のようだが、ハザに掛けてある稲はやはり実入りがよくなさそうだ。
 消防小屋の前に王城山登山道入口というカコウ岩の板でできた道標がある。

 このあたり、原木伐採道ができているので、登山道がわからなかったが、しゃにむに進むと、四合目柴峯という地点に出た。

 ここからは尾根の西を巻く快適な道。
 コナラ、クヌギ、カラマツなどはなかば葉を落として晩秋らしいたたずまい。
 すぐ西の尾根は植林がされてないので、盛りを過ぎた紅黄葉だがなかなか美しかった。
 左下の小さい谷では伐採されているため、丸岩、菅峰など南側の展望がよい。

 五合目唐傘木には、アカマツの大木の根元にちいさな祠。
 ここからはずっと尾根の東側に水平につけられた道を行く。
 この先で王城山への分岐を見のがしたので大幅なタイムロスとなった。

 尾根の上は垂直の岩場をまとった小ピークが連続しているが、道はあくまでも水平だ。
 小鞍部の下を通ると沢の源頭状となり、ピークの下あたりでは小尾根を乗っこすということをなんどか繰り返す。

 ビバークできそうな小さな岩庇のあるところで天然シイタケが木についたまま乾燥しているのがあった。
 その先、小さな祠のあるところまできて小休止。
 このあたりはまったく伐採されていないので、登山道に積もった落葉も厚いし、いろいろな種類の木があって気持ちがよい。

 クマザサの中の緩傾斜の沢状のところで踏みあとが消えるが、ササの薄いところを登っていくと踏みあとが復活する。
 それまでの道にくらべれば少し急なジグザグ道を登りつめると、大きな石が積み重なった阿弥陀石。

 なかなか展望もよく、草津方面が見えている。
 草津白根山の上の方はガスで見えない。
 浅間山は頭だけだが、浅間隠はよく見える。
 あたりには大きなミズナラの木もあるが、ほとんどコナラとアカマツである。
 またミツバツツジの木も多く、花が咲けばきれいだろう。

 その先は、いったん西を巻くがすぐにまた尾根の上。
 ササの中に、カラマツの植林だが、雑木がないので見晴らしはよく、榛名山がよく見えた。
 このあたりがホッパというところだろう。
 ヤブから出ると林道終点で、高間山の直下。
 高間山への道を探したが、どうしても見つからなかったので、やむなく撤退。

 来た道を戻り、六合目炮碌岩から王城山へ。
 七合目船窪から八合目中棚尾根までの間の急登はこたえたが、九合目お篭り岩までは水平な道だったし、十合目までは1分もかからなかった。

 十合目山頂尾根は双耳峰の鞍部で、右が古城、左が王城。ここはまず王城に行ってみる。

 菅峰方面のなかなかの展望台で、祠が一基あり、〆縄が張ってあった。
 古城の方は、王城山と書いたプレートと小祠が三基。
 先行者が一人いて、山の話をしながら大休止。

 林へは唐傘木からも下れるようだ。
 柴峯からは広い道。
 三合目鳥屋坂から舗装道路となり、登りはじめたところの少し上に出た。

 川原湯の公衆浴場王湯に寄ったが、ここは温泉らしいイオウの臭気と熱さがとてもよい。
 三百円という入湯料もリーズナブルだと思った。
 地元を無視して八ツ場ダム建設を進める建設省への怒りを新たにした。