八間山と尻焼温泉

【年月日】

1992年10月25日
【同行者】 単独
【タイム】

野反湖(5:55)−白砂山(9:00)−野反湖(12:27)

【地形図】 野反湖

 低気圧が抜けたばかりで冬型になっており、関東平野はよく晴れていたが、ここまでくると雲が多い。
 ガスってはいないので、まずまずの天気というべきだろう。

 野反峠からすぐに登山道に入る。
 丈の低いササのなかの緩やかな登りだ。
 さえぎるものがまったくないので見晴らしはよい。

 弁天山やエビ山が次第に目の高さになっていく。
 これらの山もおおむねササ原におおわれており、ダケカンバの若木が生えている。

 ドウダンツツジの大きな木が道ばたにある。
 これが咲けばすばらしいだろう。

 1740メートルピークはちょっとした裸地で、ケルンが建っている。
 1830メートルピークまで登ると八間山が目の前。

 むかって左は傾斜のゆるいササ原だが、南面は鋭くきれこんだガレ場。
 葉を落としたダケカンバの幹が、ときおり射してくる光線に映えて美しい。

 ここからすこし下り、山頂へむかって急登する。
 山頂直下までくるとオオシラビソの大木が出てきて樹林帯となる。
 登山口からずっと木がなくて山頂周辺だけに木が生えている変わった山だ。

 樹林帯を抜けて山頂に着いたのは9時前だった。
 木のある西側はやや展望が悪いが、その他はよく見える。

 もっとも雲が多く、はっきり指呼できるのは堂岩山、白砂山、木戸山などだけだ。
 草津白根は下のほうだけを残してガスのなかだった。

 南側もおおむねもやに隠れているが、長野原からの道路沿いのカラマツの黄葉がみごとだ。
 山頂の北端には小さな避難小屋が建っているが、床と入口の戸がなく壁も一部がなくなっており、使用に耐えるものではない。

 小休止のあとダムサイト方面に向かって下山にかかる。
 すぐに堂岩山方面への道を分け、樹林帯のなかの急下降となる。
 こちらはたシラビソとダケカンバの原生林だ。

 すぐに傾斜がゆるみ、あとはのんびりとした下りになる。
 下のほうは胸までのササのなかに、ダケカンバの若木が生えている。
 これはシラビソを伐採したあとなのだろう。
 山頂からダムサイト手前の車道までは20分程度だった。
 湖畔の車道をのんびりと歩き、野反峠に着いたのは10時半。

 野反峠からは尻焼温泉に向かった。
 川底のあちこちから少しずつ湯が出ているので、川の水にうめられてぬるいところと熱いところがある。

 紅葉まっさかりの湯の川にのんびりつかっていると落葉が一枚、二枚と流れてきた。