秩父有数の城郭
− 竜ヶ谷城址 −

【年月日】

2023年2月1日
【同行者】 単独
【タイム】

駐車地(12:21)−主曲輪(12:38-13:03)−駐車地(13:27)

【地形図】 長又 万場 ルート地図 (マウスホイールで拡大・縮小可)

 氏邦感状に「吉田の楯」と記されているのはここではないかと推定されている城。
 書物やネットでは、あたかもそれが確たる史実であるかのように書かれているのを散見する。
 この推定を実証する別史料がないので、確実性に欠けるが、ここ以外に「吉田の楯」などと称されるほどしっかりした城郭が存在しないので、その可能性はあるという程度にとどめるのが適切だろう。

南側の堀切
本曲輪

 麓が別荘地になっているので、尾根の直下まで自動車で登れる。
 登山道はないが、城マニアによると思われる踏みあとや目印がある。

 尾根に上がると、南からの登城ルートは露岩帯で天然の要害になっていた。
 ここはことさら手を加えなくても、守備兵さえいれば防御性は高い。

 岩を削ったらしき強固な空堀と竪堀を越えると主曲輪で、そこそこ広く、周囲は土塁を盛り上げて固めてあった。
 とてもていねいな作りで、ここを守る武将の意気込みが伝わってくる。
 山中谷方面からの侵入に備える北条氏の支城としては、随一と思う。

 その先も、空堀と曲輪・土塁が続き、堅固な山城という印象を持った。
 さらに北へ進めば、阿熊観光トイレから藤芝への林道に至るのだが、北からの攻撃に対してどう守るかという戦略は、地形を眺める限りでは、見えてこなかった。