日野沢の廃道歩き
− 小松 風早峠 藤原−

【年月日】

2016年1月11日
【同行者】 単独
【タイム】

秩父華厳の滝駐車場(10:05)−上空滝(10:27)−旧風早峠(11:11)
−車道の風早峠(11:19)−旧風早峠(11:29)−藤原耕地(12:26)
−札所34番(13:05)−秩父華厳の滝駐車場(13:25)

【地形図】 皆野 鬼石 ルート地図

 暖冬傾向のこの冬だが、この日もまだ暖かい日だった。

 華厳の滝の駐車場に自動車をとめ、滝の横の道を登って小松入口に向かう。
 ここを歩くのはずいぶん久しぶりだ。
 バブルの時代には、このあたりで斜面を切り崩しながら別荘地が造成されていたが、それらはほぼ廃屋化し尽くしていた。

小松入口の馬頭尊石塔(大きな写真)
秩父華厳の滝(大きな写真)

 馬頭尊のところが昔の道の入口なのだが、風早峠への旧道入口は消えており、代わって左岸側に上ノ空滝への遊歩道ができていた。
 補助金で整備されたようだが、できれば観光客にも見て欲しいとはいえ、あまり歩かれているようすはなかった。

 小松へ行く沢は、部分的に伏流しており、流れは貧相だったが、上ノ空滝は2段10メートルほどの細い滝だった。
 日野沢地区はチャートでできているため、このような滝が多いらしい。
 空滝の上流にも、それなりの滝をかけていた。

 滝の下降点から先は草むした作業道で、小松に出る。
 集落に出たところのお宅は現住されているようだった。

 小松を過ぎても作業道は続く。
 途中、軽トラがとめてあり、チェンソーの音が響いていた。
 この道がどこで終わりになるのかと思って登っていくが、かつての風早峠道をずっとトレースして、旧風早峠を越えて、上武林道に出た。

上ノ空滝(大きな写真)
ここから藤原へ下る(大きな写真)

 林道を新風早峠(車道の峠)まで歩くと、峠道の痕跡がかすかに残っていたので、その道を風早峠まで戻り、ずっと以前に見つけてあった藤原耕地への踏みあとに入った。

 地形図に破線路は記載されているが、道形はほとんど消えていた。
 とはいえ、尾根道なので、特に問題ないと思いきや、小ピークでメートル三角点へ至る尾根に入り込んで少々ロスをした。

 問題は、藤原へ下る破線路だが、下降点と思しき地点のスギの切り株に「フジワラ」という彫り込みがあったので、そのあたりから谷へ下った。
 破線路は、痕跡もほとんどなく廃道化しており、朽ちた間伐材が散乱していたが、歩行困難な場所はないので、どんどん下った。

 藤原の人家が見えてくると、多少道らしくなってきたが、集落に出るところは灌木のヤブで通行不能だったため、左手の竹やぶから車道に出た。
 藤原耕地を訪れたのは、初めてだと思う。

藤原安産堂(大きな写真)
34番の石仏(大きな写真)

 事実上行き止まりの集落だが、かなりのお宅がまだ現住されており、春には美しいだろうと思われた。
 藤原安産堂が集落のほぼ中心に位置しており、かつては日野沢・金沢あたりで女性たちに広く信仰されただろうと想像された。

 安産堂のすぐ下に、重木への道標。
 ここから車道で重木に行けるのだろうか。
 いつか確認してみたい。

 日野沢川べりの往還には、忠魂碑のわきで出た。
 うらぶれてしまった小学校を過ぎ、34番の前を通る。
 新井紋蔵宅あとは、34番寺の駐車場になっていた。

 久しぶりに34番寺をお参りして、華厳の滝へ戻った。

 ここまで飲まず食わず休まず歩いてきたので、滝近くの広場でしばらく休んで帰った。