古洞峠から大日峠

【年月日】

1997年2月11日
【同行者】 2人
【タイム】

古洞入口(2:23)−古洞峠(2:49)−大日峠入口(3:12)
−大日峠(3:34)−小判沢(4:02)−古洞入口(4:27)

【地形図】 皆野、秩父

 午後になってから、近くの峠道を散歩。

 本屋でROMした古洞峠から大日峠への道を歩いてみた。

 小鹿野町営バスの古洞入口バス停近くに自動車をとめ、天司嶽ハイキングコースと書かれた道標に従って車道を行く。

 かつては野菜など作っていたらしい畑には、タラノメが栽培されていた。
 とても採算はとれないだろうと思うのだが、どうなのだろう。

 途中からは未舗装となるが、ガードレールはまあたらしい。
 登山道(峠道)を開削して、車道を作っている最中らしい。

 二十分ほど行ったところで、札所三十二番へと書かれた木製の道標。

 ここから山道。

 五分ほどで古洞峠。
 朽ちかけた木の祠がおいてあった。
 右に行くとクアパレスおがの、という新しい道標が立っていた。

 クアパレスおがのとは、最近できた町営温泉で、なかなかにぎわっているところだ。
 ちなみに、小鹿野町在住・在勤者の入浴料は五百円。
 私は在勤者なのだが、フロントで「身分証明書を見せて下さい」と野暮なことを言われたことがある。

 峠道周辺は蛍光ピンクの測量に使ったビニルテープがいたるところに結んであり、車道工事がすぐそばまで迫っていた。

 十分ほどの下りで、札所三十二番近くの集落。  消え残った雪の見られる庭先で、早咲きの梅がちらほら咲いていた。

 札所の入口を過ぎてしばしで、柿ノ久保集落の大日峠の入口。
 道標と地蔵様とが立っている。

 風化した石仏や六十六部と彫られた石塔を見ながらスギ林の中をゆるやかに登る。

 六十六部とは、法華経六十六部を筆写し、全国六十六ヶ国の寺院に納経して廻る人のことという。
 昔の秩父にそんなすごい人がいたのだろうか。

 思ったよりも長い登りで大日峠。

 大日様とおぼしき神像が二体。
 右側の方がどう見ても古そうに見えるのだが、左側の方だけに覆屋がある。
 おりしも、小雨が降り始め、右の神様は見る間にお濡れになる。
 左の神様は屋根の下で座っておられる。

 どうみてもこれは不公平ではあるまいか。

 かたわらには、大正八年一月に建設された石の道標。
 小判沢集落側の面には、「従是東南秩父郡長若村」、側面には「小鹿野道次ノ大字ハ小鹿野町下小鹿野ニシテ縣道マデ約二十町」「札所三十二番柿ノ久保」と彫られていた。

 秩父の峠道には、このような石の道標がとても多い。
 この道標には、建設主体の名は明記されていなかったが、今まで見たものはほとんど青年団か在郷軍人会によって建てられたものだった。
 郷土意識を高める運動の一環として取り組まれたものなのだろう。

 凍結した道を注意しながら下っていくと、すぐに小判沢の源頭。
 二十分ほどで小判沢集落に着いた。