まだ修行が足りない

− 大烏山周回 −

【年月日】

2018年3月18日
【同行者】 2名
【タイム】

小烏山入口近く駐車地点(8:51)−露岩(10:11-10:17)−大烏山(10:42-11:13)
−小烏山下降点(12:11)−小烏山下(13:31-13:40)−巨トチ(13:54)−駐車地点(14:11)

【地形図】 川浦 ルート地図

 周回コースを考えていたので、小烏山入口近くに自動車をとめ、しばらく車道を行く。
 山側に大きなトチノキがあって、大木に出会える予感がする。

道路わきのトチ(大きな写真)
白峰三山(大きな写真)

 堰堤だらけの沢に出合い、沢を行くか尾根に上がるか、まずは思案。
 奥へ進むと急斜面登りがきつそうなので、尾根に上がることに決したが、尾根へはよい鹿道がついていたので、直登コースにして正解だった。

 踏みあとは薄く、明瞭な鹿道が到るところについている。
 杉の植林が続いて展望もなく、我慢の登りである。

仙丈・甲斐駒(大きな写真)
上河内・聖・赤石・悪沢(大きな写真)

 スギ林が切れるとツガの木混じりの雑木林で、明るくなる。
 急登が続くが、ちょうどよいところに展望のよい露岩があったので、小休止した。

 ここはとてもよいところで、南側と西側が開けており、富士山と南アルプスがよく見えた。
 数日前には雨の予報もあったのだが、雲がやや出てはいたが、まずまず快晴と言えた。
 この景色を見ることができて幸運だった。

富士山(大きな写真)
南八ヶ岳(大きな写真)

 この尾根を直進すると1940メートルのピークに至る。
 主稜線に出たところで右折しないと、大烏山と想定していた1782メートルのピークに行くことができない。
 どこかに右折すべき地点があるはずだと注意しながら登っていくと、いきなり大烏山の表示のあるピークに登り着いた。

 ここは地形図上には書かれていないピークである。
 そもそも大烏山は、地形図では中途半端な位置に記されており、どこがその山なのか、はっきりしていないようだ。
 樹間から南アルプスや八ヶ岳が望まれる、気持ちのよいここで大休止。

 1782メートルピークへの道はなし。
 コンパスで方向を定めてササ原を下れば、薄い踏みあとや目印があらわれた。
 登るぶんにはミスすることはないので、1782峰とその次の1773峰を下りきるまでは、ササ原をのどかに歩く。

 最初の問題は、小烏山への下降点を間違えないことだった。
 予定していたルートは、1705峰まで行っては行き過ぎだったので、1705峰の肩から黒木の生えた南西尾根へ下る。
 ここは首尾よく行けた。

大トチ(大きな写真)
イヌブナ(大きな写真)

 ミスったのはその先で、尾根が真南に曲がる平坦なところを南西へ急降下してしまった。
 境界杭やピンクテープに誘われたのも事実だが、地形図をよく読めば、この尾根からは小烏山が終始見えていなくてはならないはずだ。
 小烏が見えなくなったことには気づいていたので、そこで立ち止まってよくよく思案すべきだった。

カエデ類かな(大きな写真)
形のよいトチ(大きな写真)

 小烏山がまったく見えないので、GPSで現在地を確認して初めて、ルートミスに気づいた。
 登り返す気力はないが、本来下るべき尾根まではカラマツが植えられており、トラバースが可能のように思われたので、トラバースを開始。
 水流のある沢と枯れ沢を渡った次の尾根まで、どうにかトラバースできた。
 これで正規の尾根に乗ったと思って一気に下ったのが次なる勘違いで、その尾根はまだもくろんでいた尾根ではなく、小烏山はまだ見えないのだった。

巨トチ(大きな写真)
トチの間を行く(大きな写真)

 やむなく三つ目の沢を渡って急登し、ようやく考えていた尾根に乗ることができた。
 尾根をゆるゆると下っていくと、ミズナラ、イヌブナの美しい斜面となり、沢近くに大木も見えてくる。
 下りきると、トチの大木が二本。
 その手前には、カエデ類と思われる大木もあった。
 感じのよいここで小休止。

これもトチ(大きな写真)
モンスターサワラ1(大きな写真)

 下山口へ向かい、沢床が苔むしてくると、まずはトチの巨木を見る。
 呆然とするほどの巨トチで、折れた太枝でさえ、直径1メートル以上はあった。

モンスターサワラ2(大きな写真)
モンスターサワラ3(大きな写真)

 さらに下るとサワラ林。
 苔むした斜面に巨木と壮年木とが混生していて、すごい光景だ。
 巨木のどれもが、幹や枝が裂けた異形のサワラで、このようなのは初めて見た。

モンスターサワラ4(大きな写真)
姥の栃(大きな写真)

 サワラの森は車道に出るまで続いた。
 自動車に戻ってから、やや琴川ダム寄りにある姥の栃を見に行った。
 こちらも小烏山のトチに劣らぬ巨トチだった。