再び青梅旧街道

−大菩薩峠から丹波山村−

【年月日】

2017年6月10日
【同行者】 全部で5人
【タイム】

6/10 福ちゃん荘で幕営のみ
6/11  上日川峠(3:52)−雷岩(4:54-5:04)−大菩薩峠(5:30-5:45)
    −フルコンバ(6:10-6:20)−ノーメダワ(7:05-7:15)−追分(7:59-8:05)
    −藤ダワ(8:56-9:05)−越ダワ上(11:02-11:11)−丹波山道の駅(11:32)

【地形図】 七保、大菩薩峠 柳沢峠 丹波 ルート地図

 電車の中で本を読んでいたら、ふだん大して働いてもいないのだが、ついつい眠ってしまう。
 乗り換えを繰り返しながら、トータルすればずいぶん眠って、眠気がとれた。

 塩山からタクシーだが、いい時間につけるかと思いきや、ノロノロ車が山岳道路をふさいで、運転手さんが苛立っていたので、そっちのほうが気になった。
 福ちゃん荘でタクシーを降りると、えらく寒いので驚いた。

 寝入りばなにいくらか雨が降ったが、夜中にトイレに出てみると、雲の多い中に月が見えていたので、翌日はまずまずの天気になりそうだった。

ミツバツツジ(大きな写真)
雷岩から大菩薩峠方面(大きな写真)

 予定より少し早かったが、準備ができたので、4時少し前に出発した。
 ヘッドランプ行動だが、最初の登りが緩やかなので助かる。
 このあたり、ヒガラのさえずりがすこぶる多かった。

 新緑の季節は野鳥の声が最も賑やかになる。
 これは営巣・産卵・育雛の時期だからだ。
 一番の問題は育雛なのだが、新緑の時期は、樹木の葉を食べる芋虫類が最も多く発生する時期なのである。
 虫にとって葉が最も美味しい時期=野鳥の子育て適期である。

 ルリビタキやホトトギスの声が混じり、傾斜がきつくなるとほどなく雷岩に着いた。ここで小休止。
 薄曇りだったので、展望は望めないかと思っていたが、富士山の頭がのぞいており、幸運だった。
 まだ5時前だったので、誰もおらず、静かなひとときだった。

 意外なことに、ミツバツツジが満開で、斜面のあちこちに濃ピンクの塊が見えていた。
 緩やかに下りながら、妙見ノ頭を越えて大菩薩峠。
 富士山は隠れてしまっていた。
 ホトトギス・ジュウイチ・ツツドリと似た姿の鳥がそれぞれ、鳴いていた。

シロバナノヘビイチゴ(大きな写真)
ミズナラ大木(大きな写真)

 お土産物屋さんもやってないし、見るものが少ないので、早々に出発した。
 ここから展望はないが、深い森の中の落ち着いた道になる。

 フルコンバまでは広くしっかりした道で、平坦な下りなので、30分もかからなかった。
 コイチヨウランが咲いているかと思ったが、一つも見なかった。
 快調だが、先も長いので、小休止。
 シロバナノヘビイチゴがたくさん咲いていた。

 ノーメダワまでの尾根道は緩いながらも、多少の登り下りがある。
 スズタケはここでもほぼ枯れ尽くしていて、歩きやすい。

新緑(大きな写真)
ミズナラ大木(大きな写真)

 サカリ山を巻いて追分までの区間は、ミズナラ大木がみごとだ。
 このあたり、カラマツが植えられているところは、ブナ・ミズナラ林だったのだろう。
 大きなブナはあまり見なかったが、登山道沿いのミズナラはしっかり残されていた。

 3ヶ月ぶりのメインザックなので、やはりきつかったが、追分まで来れば、あと2ピッチだ。
 ミソサザイ・コルリ・メボソムシクイも鳴いていたので教えたが、この日はちょっと種類が多すぎたので、覚えきれなかっただろう。

ブナ(大きな写真)
トチ(大きな写真)

 沢に下り、左岸斜面のトラバースになると、トチ林帯。
 ここもいいところだ。

 藤ダワまで来ると、有害鳥獣駆除のハンターが歩いていた。
 この先どうするかが問題となった。

 ここは実質的に五叉路になっていて、左は貝沢川に降りて丹波バス停に行く。
 尾根に登っていくのは、高尾天平を越えて越ダワに至る。明らかによく整備されていた。
 右は舗装された林道で、おそらく遠回りである。
 直進する道はどうも、旧街道らしかった。
 直進道はやや荒れた感じながら、廃道には見えず、進入禁止の印もなかった。

馬頭尊(大きな写真)
廃道の石垣(大きな写真)

 相談の上、地形図に記載のある旧街道らしき道に入った。
 最初は特に問題なかったが、トラバース箇所で崩壊が見られるようになり、手がかり・足がかりとも乏しい崩壊地で、高巻きを余儀なくされた。
 この10メートルほどの通過にたぶん、1時間くらいかかったと思う。
 その先も崩壊地はあったが、さほど危険なところはなかった。

 越ダワからは、車道歩きとなる。
 この日も下界は暑くなりそうだった。
 想定外のロスタイムがあったものの、予定のバスに乗れてよかった。