きのこの少ない里山
− 茅ヶ岳から金ヶ岳 −

【年月日】

2010年9月20日
【同行者】 単独
【タイム】

深田公園(9:08)−女岩(10:05-10:10)−茅ヶ岳(11:04)
−観音峠分岐(11:48)−金ヶ岳(11:58-12:07)−金ヶ岳登山道入口(13:10)
−千本桜公園登山口(13:50)−尾根コース登山道入口(14:32)−深田公園(14:50)

【地形図】 若神子 茅ヶ岳 ルート地図

ミズナラの森(大きな写真)
セキヤノアキチョウジ(大きな写真)

 茅ヶ岳は、中央道や中央本線の車窓から、とても目立つ。
 八ヶ岳・三ツ頭から天女山へ下るあたりからも、立派な山容が印象的だ。

 深田公園の駐車場からしばらく、荒れた感じのブル道を登っていく。
 道が荒れているのではなく、道わきの草むらや枝の散乱したアカマツ林が荒れた感じにさせるのである。

ヤマトリカブト1(大きな写真)
ヤマトリカブト2(大きな写真)

 舗装された林道を渡ると、道幅がやや狭くなる。
 ヨメナやツリフネソウの花が散見されると、やや落ち着いた山道となる。
 アカマツまじりの雑木林が続き、きのこが出ていてもおかしくない林相になっても、きのこはほとんどなかった。

 約1時間歩いて、女岩の水場。
 ネーミングがやや卑猥にも感じるが、岩の下から冷たい水が湧いており、いい水場だ。

 ここからしばらくは、自然林の中の急登。
 樹種として目を引くのはミズナラで、大きな壮年木が何本も生えているようすは、みごとだった。
 上部まで来ると、足元には、ヤマトリカブトやキバナアキギリ、セキヤノアキチョウジなどが咲き、いかにも初秋らしくて好ましかった。

キバナアキギリ
アキノキリンソウ

イブキトラノオ
マツムシソウ(大きな写真)

 尾根に上がっても急登が続き、深田久弥氏の遭難碑を見たあと、ひと登りで山頂だった。
 天気が悪く、展望皆無であるにもかかわらず、おおぜいのハイカーが憩っていたが、何も見えなくては面白くないので、山頂をスルーして金ヶ岳方面へ下る。

 日当たりのよい山頂付近にはヤマウルシが多く、うっかり触れたりしないように注意しながら、急降下する。
 このあたりにはドクツルタケが多く、可愛らしいクチベニタケも点々と出ていた。

 山頂かと思ったピークは観音峠への分岐で、金ヶ岳へは、そこから大きく下って登り返す。
 金ヶ岳の山頂は、南側が伐開されているが、多少晴れてはきたものの、ガスはまだ濃く、展望はほとんどなかった。
 カワラナデシコ・トモエシオガマ・イブキトラノオなどは、ここにしか咲いていなかったと思う。

カワラナデシコ
ハクサンフウロ

 小休止ののち、今度は南西への尾根を下る。
 こちらもおおむねやせ尾根で、時おり展望の開けるところもあった。
 トリカブトが多いが、マツムシソウやハクサンフウロなどもいくらか咲き残っていた。

 登り返すことはほとんどなく、軽快に高度を下げていくと、1時間ほどで林道に出る。
 ここからの長い歩きを覚悟して、のんびり下っていくと、千本桜公園との分岐。
 地図で見ると、ここは南に下る道をとるのが正しいのだが、「茅ヶ岳登山口」と記された道標を見て、判断を間違えた。

 この道標でいう茅ヶ岳登山口が、深田公園をさすとは限らないにもかかわらず、千本桜公園から茅ヶ岳に至る道が地形図に記載されていないこともあって、千本桜公園から深田公園へのショートカットがあるのかと誤解して、「登山口」方面に入り込んでしまった。
 千本桜公園には誰もおらず、蝶がたくさん飛んでいるだけで、公園の一番奥には、自分の知らない「茅ヶ岳登山口」があるのだった。

タカネママコナ
メスグロヒョウモン(大きな写真)

スジボソヤマキチョウ(大きな写真)
イカリモンガ(大きな写真)

 元の分岐に戻るのは面倒なので、公園からヤブを押し下って、林道に戻り、さらに1時間ほど歩いて、深田公園に戻った。
 まぁそれほど致命的なタイムロスでもなかったのは、幸いだった。