早春の里山
− 滝戸山から鳥坂峠 −
【年月日】 |
2009年3月8日 |
【同行者】 |
単独 |
【タイム】 |
鶯宿バス停(8:10)−尾根上(10:15)−滝戸山(10:35)
−鶯宿峠(11:10)−(地形図上の)名所山(12:00)−黒坂峠(12:12)
−春日沢の頭(12:45)−鳥坂峠?(13:25)−鳥坂トンネル(13:35)
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【地形図】 |
河口湖西部、市川大門 ルート地図
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かつてここに人が暮らしていたのだろう
| カタクリ芽生え
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鳥坂トンネルで、石和から鶯宿へのバスを待つ。
始発は8時だからのんびりしていたら、5分早く来たので急いで乗った。
乗客は、自分以外にだれもなし。
まずは鶯宿バス停横の諏訪神社を参拝。
石段わきのケヤキが立派だ。
釜戸沢へは少し下らなければならない。
あまりひと気のない一帯には、兜作りの立派な家が点在している。
道ばたには、馬頭尊や各種石塔がちらほら見えている。
釜戸沢の道へは、防獣柵を開けて入っていく。
ジョウビタキの一団が枯れた畑で何かをつついていた。
歩いていくとすぐに大堰堤。
右から巻くと、消え消えの踏みあとが、渓沿いに続いていた。
しばらく行くと、立派な石積みの一帯。
集落か畑のあとだが、日照が短いと思われるので、集落あとのように思われる。
沢はいったん伏流するので、尾根が近いのかと誤解したが、水流はすぐに復活。
小さな淵も出てきて、早春の渓流の風情となった。
足元には、カタクリが芽ばえ始め、花が咲くまであと10日くらいもあれば十分だろう。
早春の渓
| シジュウカラが多い
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渡渉を繰り返しながらしばらく遡ったが、いよいよ源頭となり、踏みあとが消滅したので、左岸の尾根に急登し、シカ道を拾いながらトラバースして地図上の鞍部へ。
ここからは、コガラ・シジュウカラなどをの群れがさえずるのを聞きながら、しっかりした踏みあとを行く。
滝戸山手前に、富士山を望む展望所。
ピークからは、南アルプスが見えるように、伐開してある。
甲斐駒ヶ岳から赤石岳までがよく見えており、聖岳はピークがのぞいているだけだった。
大沢山から見たときより、南アルプスの積雪は増えていた。
ここからは、狢山方面への分岐を見送って東へ向かう。
滝戸山東の1205メートルピークには、「名所山」の表示が建てられている。
地形図では、黒坂峠西の1236メートルピークに名所山の記載がある。
これでは困る。
鶯宿峠手前で林道に出る。
この林道からは、北岳をはじめ、八ヶ岳や奥秩父前衛の山々、金峰山から甲武信岳にかけての奥秩父核心部の山々が一望できた。
冠雪した金峰山を、ひさびさに望むことができてうれしかった。
鶯宿峠にかけての林道も、地形図とはずいぶん異なっていて、おおむね稜線沿いにしばらく行ったのち、峠のすぐ北からリョウメンヒノキの立つ鶯宿峠に登るようになっている。
鶯宿峠のリョウメンヒノキは、一見しただけでは、普通のヒノキの大木にしか見えない。
しかし、重量感のある立派な木であることは間違いない。
ここから再び稜線歩き。
『山梨県の山』に「風巻」とある三角点峰で境川への分岐を分け、同じく「東洞」とある地図上の名所山に急登する。
展望はないが、樹林越しに奥秩父から南アルプスが見えている。
現地には、「春日山最高点」という表示板が建てられている。
大栃山・神座山あたりもそうだったが、このあたりの山名は混乱を極めている。
ちゃんとした考証抜きに、適当な山名表示を現地やガイドブックに記載されては困りものだ。
防火帯を急降下すると黒坂峠。
林道を渡るが、冬期通行止めとあって、静かでよい。
弘化4年の句碑があり、解説板が建てられている。
(図上の)春日山は、植林の中で、展望皆無。
次の春日沢の頭が、この日最後の急登なので、先日傷めた腰に若干の違和感を感じながらも、頑張って登る。
少し手前でテングチョウを、そして春日山の頭でヒオドシチョウを見た。
いずれも越冬の後、陽気を感じて飛び始めたものだ。
蝶を見ると、いかにも春らしい。
春日山の頭の広い山頂部も、木が伐られていたが、灌木が成長して見晴らしは今ひとつだった。
ここなどは、大展望たるべき背丈のない里山なのだから、落ち着いた雑木林のピークであって欲しい。
地形図に記載がないが、ここから稲山ケヤキの森への道が下っている。
東へ向かうと、ゆるい下りが続く。
鳥坂峠手前のピークで南の尾根に乗りそうになったが、すぐに気づいて修正。
鳥坂峠から下り始めるとまもなく、旧トンネルへの廃道。
鳥見しながらのんびり下っていくと、新トンネルの駐車場に着いた。
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