展望の岩峰めぐり
−太刀岡山、黒富士、曲岳−

【年月日】

2005年11月20日
【同行者】 単独
【タイム】

太刀岡山登山口駐車場(7:17)−はさみ岩基部(10:14-11:00)
−太刀岡山(11:35)−越道峠(10:46)−鬼頬山(11:40)
−黒富士分岐(12:23)−黒富士(12:40-1:10)−八丁峠(13:33)
−曲岳(14:04)−観音峠(14:34)−太刀岡山登山口駐車場(15:30)

【地形図】 茅ヶ岳 ルート地図

堂々たる金峰山
黒富士から富士山を望む

 登山口を9時過ぎに出発と、やや出遅れた。
 アカマツ・ヒノキ・雑木が混然と混じった急斜面をジグザグに登っていくと、ほどなくはさみ岩の基部。

 ややハングした岩の前に、明治二十六年の銘の入った岩の小祠。
 ハング下にあるため風雪がかかっていないせいか、石面が新しい。

 基部から3メートルほどのところには、嘉永六年正月十九日の銘の入った磨崖仏も。
 里山でときおり見かける磨崖仏は、昔の人の信仰心の篤さを感じさせて、心を打つ。

 ところが、その岩に真新しいボルトを連打し、チョークで汚したあとがある。
 どういう神経の持ち主であれば、こんな冒涜ができるのだろうか。
 この人物がクライミング中、不幸な目に遭わなければ幸いと思うべきであろう。

 はさみ岩の上に登ると展望が開けて、茅ヶ岳や曲岳、鬼頬山が望まれる。
 そこからも急傾斜の雑木林を登りつめると、太刀岡山。

 木が生えているが、展望のよいピークだ。
 富士山、悪沢岳、櫛形山、鳳凰三山、甲斐駒ヶ岳などがよく見える。
 仙丈ヶ岳と北岳は頭だけのぞく。

 ここからは、浅い雑木林の中の緩やかな登降。
 これぞ日だまりハイクといった風情だ。

 カラマツの多い越道峠から登り返すと、樹林越しに鬼頬山の端正な姿が望まれる。
 鬼頬山へはほぼ直登のため、ひどく急な登りだ。
 これはかなりこたえた。

 ブナが少し混じる鬼頬山からは、小ピークをいくつか登下降していく。
 ジャンクションピークから少し東に下ったところが黒富士への分岐。

 雑木の鞍部からやや急登すると、西側が大きく開けて、八ヶ岳がよく見える露岩が出てきてすぐに黒富士。

 北側の展望が最もよくて、瑞牆山から金峰山、国師から奥秩父が一望できる。
 金峰山の勇姿をひさびさに見ることができた。

 東側は灌木があるが、間近な黒い山はたぶん、帯那山。
 甲府盆地の向こうには富士山が見えるが、下半分はスモッグのような靄の中。

黒富士からナナカマドと八ヶ岳
曲岳から黒富士

 南側もよく見える。
 南アルプスの山々のうち、鳳凰三山と甲斐駒ヶ岳が前面にそびえる。
 中央アルプスの一部も見えている。

 近いところは茅ヶ岳と曲岳。

 ここまで休まなかったので、ここで大休止。
 風もなく暖かい。

 食事の後、来た道を戻り、曲岳への分岐に入る。
 すぐに升形山方面への分岐で、ここは直進。

 数分歩いて八丁峠。
 ここを北に下ると観音峠林道で、南に行くと平見城集落に至る。
 曲岳に行かないのであればここから下山できるのだが、今日は曲岳までと決めているので、ここも直進。

 曲岳への登り途中で2頭の猟犬と遭遇。
 この季節は、これがあるから不愉快だ。

 この日は、先日購入したストックの使い初め。
 無雪期にストックをついて歩いたのは初めてだが、たいへん歩きやすい。

 ホイッスルを吹いたが、飼い主からの返答はなし。
 ストックは歩行補助具だが、猟犬に吠えつかれたら、武器にならざるを得ない。
 先端のゴムとリングをはずし、最大に伸ばして、飛びつかれたらすぐに突けるように身がまえて通過。

 結局、犬と一戦交えることもなく、曲岳に到着。
 多少弱っていたので、ハンターとはぐれた猟犬か、捨て犬だったのかもしれない。
 山頂の展望はないが、南へ少し下ったところに展望のよい露岩があり、黒富士がよく見えた。

 ここからの下山路を研究してこなかったのだが、八丁峠まで戻るより観音峠まで歩きたく思ったので、そのまま直進して急下降。

 めまい岩という好展望の露岩で八ヶ岳を見てしばらく下ると観音峠林道。
 すぐに峠で、茅ヶ岳の登山口。
 ここはいつか使えそう。

 林道から平見城への破線路は存在せず。
 結局、ずっと林道歩きで太刀岡登山口に戻った。