扇山周回

【年月日】

1991年12月8日
【同行者】 単独
【タイム】

タイムとらず

【地形図】 上野原

 西武秩父発5時01分に乗って東飯能乗り換えで八王子へ。
 さらに八王子発7時3分で鳥沢。

 鳥沢をおりると霧雨。冷たくて寒い。
 鉄条網にかこまれたゴルフ場のへりにそって歩いていくとゴルフ場の玄関で、梨木平という扇山の登山口だった。
 せまいながらも自動車をとめるスペースがあって、マイカーのハイカーもいたが、あんなところにとめているとどうせゴルフ場から文句を言われるにちがいなかろう。

 歩き始めると、すぐにあずまや。
 雨がしだいに強くなったが、どうしようもなくなるような雨足ではなかった。

 30分もしないうちに、水場。
 はなはだよい水場で、ちょっとしたベンチもしつらえてある。
 水呑杉はこのすぐ上だったが、水の量が少なく、きれいでないのでここの水場を利用したほうがよい。

 スギの大木の中をジグザグに登って稜線に上がり、しばらく東に行くと山頂。
 雨はやんでいたがガスのために何も見えない。

 大休止の間は雨がやんでいたが、相変わらずのガスなので、百蔵山に行くのはやめて下山にかかる。
 ずっと下っていくと、君恋温泉への指導標が出てきたのでそちらに入る。

 無住だが小綺麗な寺の下で3段で50メートルはあろうかという大きな滝を見るとしばしで、君恋温泉の建物のわきに出た。
 玄関で聞くと、温泉の営業は午後からだというので、入浴をあきらめた。

 このあたりの地名である犬目というのは、『八右衛門 兵助 伴助』の「犬目村兵助」の村であり、なつかしく感じ、卒業論文を書いたころのことを思い出したりした。
 地形図に石碑の印があったので百姓一揆に関係するものかと思って探してみると、なんと明治天皇が小休止した場所を示すものだった。

 犬目から富士急のバスが出ているのだが、一日二本しかなく、歩いたほうがずっと早い。
 『八右衛門 兵助 伴助』によれば、ここは明治27年の甲州街道付替えによってさびれた宿場だという。

 再びゴルフ場のへりを行く。中央道をくぐり、太田というバス停のあるところから右に入り、地形図にある梁川に出る山道に入ろうとした。
 しかし道はすぐに消えてしまい、梁川近くまでのヤブこぎで、ズボンにはヌスビトハギやアメリカセンダングサなどの不愉快な植物の種子が大量に付着し、雨露による濡れもあってさんざんな目にあって帰った。