袋田の滝の駐車場で自動車をおろしてもらい、月居山周遊路をゆるゆると登る。
ここはおおむねコンクリート舗装してあるので、山歩きという感じがしない。
登る途中、樹林ごしに袋田の滝が見えた。
かなりの急登で月居峠。
途中、展望の利くところからは、日光連山、高原山、那須連山が望まれてすばらしい。
日光がことのほか近く見えたのは、意外だった。
峠付近は、古戦場の看板や鐘楼、観音堂などがあっておもしろそうだが、今日はあまりゆっくりできないので、史跡を眺めるのはパス。
しかし、峠に立つ大イチョウは、じっくり眺めずにはいられなかった。
幹まわり4メートルほどの大イチョウは、葉が落ち始めたところで、あたり一面に黄葉が散り敷いているのも、美しかった。
ここからさらにひと登りで、月居山。
説明板には、佐竹氏の一族・袋田氏の城がここにあったと記されていた。
ここから見る男体山は、けっこう遠いが、休まず縦走に出発。
ここからの道は、集塊岩でできたやせ尾根の上に大量の落葉が積もっているので、道のようすがよくわからない。
思ったより時間がかかってしまうが、すべったらまた肩を痛めそうなので、慎重に歩いた。
水根への最初の分岐を過ぎるとスギ林。
転倒の怖さはなくなるが、相変わらず登り下りが続く。
第一展望台という表示のある三角点からは、日光連山など西側がよく見えた。
南へ歩くに従って、林の自然度が高くなっていくようで、水根への次の分岐あたりは、カエデ類やケヤキ、コナラなどが美しかった。
その先で道は、尾根からはずれて、東側の窪地におりていく。
ここはルートミスしたかなとやや心配になるが、途中に古い道標などもあるので、まちがいない。
倒木をきちんと片づけてくれているのは、森林管理署(旧営林署)の方だろうか。
ケヤキの大木やケンポナシの木が数本あるのが目を引く。
さらに直径70センチほどもあるヤマザクラを見ながら登った尾根上には、いくつにも股になったおかしな形のオノオレカンバの大木。
すぐにトラバースになると今度は、斜めに立っているイタヤカエデの大木。
微細な水流を何度かまたぐ途中には、ケヤキの巨木。これはでかかった。
このあたりは、ほぼ原生林に近いのではなかろうか。
印象深い木々が次々にあらわれて、ちっとも飽きない。
男体山が近くなると、オノオレカンバに加えてヤエガワカンバ、ウダイカンバなどのカンバ類が目立ってくる。
大ケヤキ
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左に牧場が見えるあたりからはミズナラが多くなり、長福への分岐付近にはブナの大木が何本もあった。
健脚コース分岐のあずまやまで来ると、山頂はすぐだった。
快晴微風のすばらしい天気で、月曜日ではあったが、山頂には数人のハイカーが憩っていた。
ここまで休まずに来たので、腰を下ろして、足下に広がる久慈山地を眺める。
この山は、天気のよい日に訪れないと、ずいぶん損をすると思う。
もっとゆっくりしたかったが、時間が残り少なくなってきたので、下山にかかる。
健脚コースの方が近いのだが、脱臼した左肩が治っていないので、鎖場はパス。
遠回りだがラクに下れる一般コースを下った。
こちらのコースは、尾根の上はずっと好展望、かつ中間地点の大円地越周辺のケヤキ大木林が鑑賞できるので、ゆっくりのんびり歩きたいところだ。
大円地越から小沢沿いの下りにも、イロハモミジやケヤキ、カツラなどの大木が随所にあって、いいところ。
スギの植林地まで下ると、時間が気になってきたので、小走りにどんどん下っていった。