美しい自然林と大展望
−奥久慈男体山−

 【年月日】 2003年12月8日
 【同行者】 単独
 【タイム】 滝見橋(9:00)−観音堂(9:40)−三角点(10:22)−男体山(12:13-12:20)
       大円地越(12:40)−古分屋敷登山口(13:10)
 【地形図】 大中宿、袋田

月居峠の大銀杏

 袋田の滝の駐車場で自動車をおろしてもらい、月居山周遊路をゆるゆると登る。

 ここはおおむねコンクリート舗装してあるので、山歩きという感じがしない。
 登る途中、樹林ごしに袋田の滝が見えた。

 かなりの急登で月居峠。
 途中、展望の利くところからは、日光連山、高原山、那須連山が望まれてすばらしい。
 日光がことのほか近く見えたのは、意外だった。

 峠付近は、古戦場の看板や鐘楼、観音堂などがあっておもしろそうだが、今日はあまりゆっくりできないので、史跡を眺めるのはパス。

 しかし、峠に立つ大イチョウは、じっくり眺めずにはいられなかった。
 幹まわり4メートルほどの大イチョウは、葉が落ち始めたところで、あたり一面に黄葉が散り敷いているのも、美しかった。

 ここからさらにひと登りで、月居山。
 説明板には、佐竹氏の一族・袋田氏の城がここにあったと記されていた。
 ここから見る男体山は、けっこう遠いが、休まず縦走に出発。

 ここからの道は、集塊岩でできたやせ尾根の上に大量の落葉が積もっているので、道のようすがよくわからない。
 思ったより時間がかかってしまうが、すべったらまた肩を痛めそうなので、慎重に歩いた。

 水根への最初の分岐を過ぎるとスギ林。
 転倒の怖さはなくなるが、相変わらず登り下りが続く。
 第一展望台という表示のある三角点からは、日光連山など西側がよく見えた。

 南へ歩くに従って、林の自然度が高くなっていくようで、水根への次の分岐あたりは、カエデ類やケヤキ、コナラなどが美しかった。

 その先で道は、尾根からはずれて、東側の窪地におりていく。
 ここはルートミスしたかなとやや心配になるが、途中に古い道標などもあるので、まちがいない。
 倒木をきちんと片づけてくれているのは、森林管理署(旧営林署)の方だろうか。

 ケヤキの大木やケンポナシの木が数本あるのが目を引く。
 さらに直径70センチほどもあるヤマザクラを見ながら登った尾根上には、いくつにも股になったおかしな形のオノオレカンバの大木。
 すぐにトラバースになると今度は、斜めに立っているイタヤカエデの大木。
 微細な水流を何度かまたぐ途中には、ケヤキの巨木。これはでかかった。

 このあたりは、ほぼ原生林に近いのではなかろうか。
 印象深い木々が次々にあらわれて、ちっとも飽きない。

 男体山が近くなると、オノオレカンバに加えてヤエガワカンバ、ウダイカンバなどのカンバ類が目立ってくる。
大ケヤキ
 左に牧場が見えるあたりからはミズナラが多くなり、長福への分岐付近にはブナの大木が何本もあった。

 健脚コース分岐のあずまやまで来ると、山頂はすぐだった。
 快晴微風のすばらしい天気で、月曜日ではあったが、山頂には数人のハイカーが憩っていた。

 ここまで休まずに来たので、腰を下ろして、足下に広がる久慈山地を眺める。
 この山は、天気のよい日に訪れないと、ずいぶん損をすると思う。

 もっとゆっくりしたかったが、時間が残り少なくなってきたので、下山にかかる。
 健脚コースの方が近いのだが、脱臼した左肩が治っていないので、鎖場はパス。
 遠回りだがラクに下れる一般コースを下った。

 こちらのコースは、尾根の上はずっと好展望、かつ中間地点の大円地越周辺のケヤキ大木林が鑑賞できるので、ゆっくりのんびり歩きたいところだ。
 大円地越から小沢沿いの下りにも、イロハモミジやケヤキ、カツラなどの大木が随所にあって、いいところ。

 スギの植林地まで下ると、時間が気になってきたので、小走りにどんどん下っていった。