イノシシの森
−御前山縦走−

 【年月日】 2002年12月25日
 【同行者】 Uさん
 【タイム】 東登山口(10:30)−三角点補点?(12:10)−東登山口(14:35)
 【地形図】 野口

 那珂川では、シラサギやトンビの仲間やカモの仲間が、ゆったりと舞ったり、休んだり、なにかをついばんだりしていた。

 先月の低山歩きがたいへんきつかったので、今回は、リハビリを兼ねて、標高200メートルほどの超低山に出かけた。

 那珂川大橋近くの東登山口から、スギ林の中の寒い登山道を歩き出す。
 わずかにフユイチゴができていて、心がなごむ。

 しばらく行くと、スギ枝の堆積した、湿ったところに、スギエダタケが思いがけず出ていて、なかなかうれしい。

 御前山は、アオキやサカキ、ヒイラギなどの下生えに、スギ、カシ類、ケヤキ、モミなどの、なかなかの大木が混然となった、暖帯林らしい森だった。
 ことに、東登山口から鐘撞堂あと近くにかけては、スギも整然と植林したようすはなく、なかなか自然度が高かったので、気分よかった。

 足元にエノキタケ、サクラの倒木にヒラタケなどもちらほら出ていて、この時期の低山も、なかなか捨てたものではないと思わせられた。
 ニガクリタケも、相変わらず、元気に群生していた。

 登山道は、イノシシによって至るところほじくり返され、重機が動いたあとのようになっていた。  土を掘ったあとがあまりにも新しいので、近くにイノシシがいるのではないかと思ったが、案の定、斜面の中程からこちらを見ている中型のイノシシと目が合った。

 あずまやの建つ鐘撞堂あとで大休止の予定だったが、ライターを忘れてきてしまったため、食事ができずに、悲しい思いをした。
 やむなく、冷たいワインだけ飲んで、縦走に出発。

 低山のため、無数の仕事道が尾根を渡るが、ここはかの、「関東ふれあいの道」になっているため、ルート・道標は、完備されている。
 ついでに言えば、「関東ふれあい」特有の階段道も完備されているので、かなり歩きにくいのも事実だ。

 光戸への林道を左に見るあたりからは、ごく普通の里山の風情となる。
 アカマツやシデ類、コナラ、ヤマザクラなどが冬枯れている。

 このあたりで印象的だったのは、カラスザンショウの大木。
 何ヶ所か、カラスザンショウの群落があって、おもしろかった。

 林道をいくつか渡って、下り着いたところが青少年旅行村というキャンプ場。
 今回は、自転車を持ってこなかったので、ここから東登山口までの車道歩きは、腹ぺこだったこともあって、たいへんくたびれた。