カタクリを追いかけて2
−権現堂山−

【年月日】

2015年5月17日
【同行者】 単独
【タイム】

戸隠神社駐車場(8:25)−中越(10:25)−上権現堂山(11:01-11:28)
−中越(11:58)−下権現堂山(12:28)−戸隠神社駐車場(13:43)

【地形図】 須原 ルート地図

 戸隠神社公園があるので、里山としては、登山口を探すのに苦労しなかったし、細い道に入り込んで不安になるようなこともなかった。

 戸隠神社拝殿のわきから登山道に入る。
 カタクリはほぼ終了していたが、まだ咲いている株も残っていた。

カタクリ(大きな写真)
キクザキイチゲ(大きな写真)

 すぐに尾根コースと中越コースの分岐。
 やや思案したが、残雪が多いと下りでルートを失う可能性が高いと考え、中越コースに入った。

ニシキゴロモ(大きな写真)
オオバキスミレ(大きな写真)

 カタクリやオオバキスミレはまだ十分よく咲いていて、暑くはあるが、早春の風情を感じることができた。
 路傍には、シオデがたくさん出ていたので、いくらか摘んでいった。

 沢沿い高くトラバースしていくので、荒れていることも予想されたが、登山道はしっかりしており、下部では残雪も少なかった。

 沢の右岸から左岸に渡るところには中央が崩落したスノーブリッジがかかっており、ここは緊張した。
 雪渓を慎重に渡り、左岸に移ると、残雪が多くなり、ブナの若木帯に入る。
 登山道はとぎれとぎれになり、雪に隠れたところが多くなる。
 足元にはイワカガミの花も見えてきた。

シオデ(大きな写真)
スノーブリッジを渡る(大きな写真)

 稜線直下の沢の詰めは完全に雪の下なので、ピンクテープを追いながら小尾根にとりつく。
 このあたりのブナの新緑は、じつに美しかった。

ショウジョウバカマ(大きな写真)
ブナ新緑1(大きな写真)

ブナ新緑2(大きな写真)
ブナ新緑3(大きな写真)

 稜線はおおむねヤセ尾根で、東側に雪が吹き溜まっていた。
 タムシバがすこぶる多く、マンサクの花も多い。
 アズマシャクナゲはほほ終わってていて、ユキツバキも古くなりかけていた。

イワウチワ(大きな写真)
イワウチワ(大きな写真)

 しばらく平坦だが、遠望するとわかる通り、山頂直下はやや急だ。
 上権現堂山の山頂部は北東側がおおきな雪庇になっており、三角点周辺は土が出ていた。
 ここで大休止。

守門岳大きな写真)
八海山(大きな写真)

 山頂の展望は雄大で、八海山・駒ヶ岳・守門岳・浅草岳・荒沢岳と正対する。
 それ以外の峰々や黒姫山方面も見えているのだが、冠雪したこれらの山々の迫力にはかなわない。

駒ヶ岳大きな写真)
荒沢岳(大きな写真)

 山頂から唐沢山方向に少し行ったあたりには、ムラサキヤシオも咲いていた。

 帰りは来た道を戻り、中越を直進して下権現堂山に向かった。
 タムシバの尾根を行き、小ピークを一つ越えて急登すれば下権現堂山で、こちらはやや狭い山頂だった。

ムラサキヤシオ大きな写真)
マンサク(大きな写真)

 ここからの下りは長い。

タムシバ1大きな写真)
タムシバ2(大きな写真)

 神湯へ下る分岐を見て急降下していくと、下の方から大きな話し声が聞こえてきた。
 それは、八合目の岩峰で休んでいる人びとの声だったのだが、うるさいので先を急ぐ。
 さらにしばらく下ったところが弥三郎清水で、大量の水が大岩の下から湧きだしているのだった。

イワカガミ1大きな写真)
イワカガミ2(大きな写真)

 山頂からさほど下ったところでもないのに、これほどの水量で湧いているしみずを見たのは、初めてだと思う。

 おおむね急降下だが、ヤセ尾根状の緩傾斜地は見晴らしがよく、正面に八海山を望みながら下っていく。
 大量の積雪をまとった山々の一方で、眼下には、湛水した広大な水田が広がる。
 列島の大地は、巨大な貯水システムなのである。

ガマズミ大きな写真)
オオカメノキ(大きな写真)

 樹の花では、ガマズミ・ミツバツツジ・ヤマツツジ・オオカメノキ・ツクバネウツギなどが咲いていた。
 足元のイワカガミの写真を撮りながら下っていくと、中越コースの分岐に着いた。
 登山口の駐車場にとまっている自動車は、朝より少なくなっていた。