2015年の角田山
- 小浜コースから桜尾根コース -

【年月日】

2015年3月28日
【同行者】 単独
【タイム】

立岩登山口(10:21)-角田山(11:59-12:33)
-立岩登山口(14:44)

【地形図】 角田山 ルート地図
【他の角田山コース】

浦浜コース・灯台コース
桜尾根コース・湯之腰コース
ほたるの里コース・五ヶ峠コース
稲島コース・五りん口コース
桜尾根コース・立岩口コース
宮前コース・桜尾根コース
小浜コース・桜尾根コース
桜尾根コース・五ヶ峠コース

 今年の角田山は、小浜コースから登った。

カタクリ満開(大きな写真)
カタクリ(大きな写真)

 立岩のトンネルを抜けた先の駐車スペースに自動車をとめた。
 ここから灯台コースにとりつく道は通行止めになっているようだった。

 急なところを登って尾根上に出ると、傾斜が緩くなる。
 カタクリがさっそく、ちらほら見え始めた。

キクザキイチゲ(大きな写真)
キクザキイチゲ6(大きな写真)

 カタクリの花数は中腹あたりが一番多かった。
 この尾根にはキクザキイチゲも多い。

 白いキクザキイチゲも清楚だが、青いのはとても神秘的だ。
 青いキクザキイチゲは、それぞれ濃淡があって、一様ではない。

キクザキイチゲ(大きな写真)
キクザキイチゲ(大きな写真)

 上部のカタクリはつぼみ状態のが多く、ほどなく五ヶ浜コースと合流する。
 小浜の尾根はそれほどでもなかったが、ここまで来るとハイカーの数は、六月の尾瀬並みだった。

キクバオウレン(大きな写真)
ショウジョウバカマ(大きな写真)

 メインルートの木道がずいぶん整備された印象がある。
 山頂広場まではすぐだった。
 ここで大休止。

ツクバネウツギか(大きな写真)
ナニワズ(大きな写真)

 帰りはやはり、オオミスミソウの多い桜尾根にした。

オオミスミソウ(大きな写真)
オオミスミソウ(大きな写真)

 最初はキクバオウレンやショウジョウバカマが多いが、下るに従ってオオミスミソウが多くなる。
 大きな話し声が聞こえてきたので、何ごとかと思ったら、このコースをボランティアで整備しているというふたり連れの中年男性だった。

オオミスミソウ(大きな写真)
オオミスミソウ(大きな写真)

 彼らの話によると、かつての角田山は山じゅうにオオミスミソウが咲き乱れていたらしい。
 それが荒廃したのは、ハイカーによる踏み荒らしが原因だった。

オオミスミソウ(大きな写真)
オオミスミソウ(大きな写真)

 盗掘する人もいるが、それはさほど多くない。
 しかし、写真を撮るため斜面に立ち入る人は非常に多い。

オオミスミソウ(大きな写真)
オオミスミソウ(大きな写真)

 最盛期には一日に数千人が訪れるこの小さな山で、ハイカーが林内に立ち入れば、株はすぐに弱ってしまい、やがて枯れてしまう。
 こうして角田山のオオミスミソウは、急激に減少していった。

カタクリ(大きな写真)
カタクリ(大きな写真)

 角田山は多くが私有地であるため、公的な保護活動は行われていないらしい。
 二人は桜尾根ともう一か所のコースに立ち入りを禁止するロープを張っていった。

オオミスミソウ(大きな写真)
オオミスミソウ(大きな写真)

 林内への立ち入り問題は、これだけで絶大な効果をあげ、一部に別のところから移植して、オオミスミソウは目に見えて復活していった。
 ところが、他人の私有地における個人による自然保護活動は、現在の法制度のもとでは認められていないらしく、二人は県庁に呼ばれて三度、始末書を取られたという。

オオミスミソウ(大きな写真)
オオミスミソウ(大きな写真)

 ここ数年、桜尾根コースで登山道を整備しておられる現場に遭遇することもあったし、このコースの花数が増えていることを実感していた。
 角田山のオオミスミソウ保護活動は、このお二人だけによって担われていると聞いた。

オオミスミソウ(大きな写真)
オオミスミソウ(大きな写真)

 規模は尾瀬ほど大きくはないが、登山コースの人口密度は尾瀬に匹敵する。
 弥彦山や佐渡にも、オオミスミソウの群生地は存在するが、私は角田山がもっとも好ましい。

オオミスミソウ(大きな写真)
オオミスミソウ(大きな写真)

 ここは巻町や新潟県がしっかりと保護し、登山者もまた、相応の負担に応じるべきなのではなかろうか。