やや早かったヒメサユリ
−鬼ヶ面山往復−

【年月日】

2011年6月19日
【同行者】 Uさん
【タイム】

トンネル手前(9:50)−反射板(10:55)−吹峠分岐(11:16)−南岳(12:06)
−鬼ヶ面山(12:57-13:13)−トンネル手前駐車スペース(15:26)

【地形図】 毛猛山 ルート地図

ブナの道
ツクバネソウ(大きな写真)

 梅雨初期の前線配置が続き、日本海側は好天の日が多いので、浅草岳の前衛峰である、鬼ヶ面山に出かけた。

 かなり出遅れて、登山口に着いたのは10時前だった。
 道路沿いのタニウツギのピンクはかなり色あせており、山菜の季節は終わったかに見えたが、トンネル前の駐車スペースには、登山者だけでなく、山菜取りの人の車もありそうなほど、たくさんの自動車がとまっていた。

 トンネル手前の登山口から小尾根を少し登る。
 かなりの急登だが、すぐにトラバース道になり、雪国らしく樹木が谷側に寝た緩斜面を横切っていく。
 沢状のところをいくつか横切るが、水がしっかり流れているのは、一ヶ所だけだ。
 雪がなくなれば、ここも枯れるかもしれない。

エンレイソウ(大きな写真)
ショウジョウバカマ(大きな写真)

 水場には、ミヤマカタバミが咲きかけており、オオバギボウシの立派な若芽がいくつか出ていたが、帰るとき見たら、すでになくなっていた。
 六十里越の峠には特に何も立っていなかったが、道標があり、ここから再び小尾根の急登になる。

 大木を交えたブナ林を急登すると、送電鉄塔の立つ台地。
 ワラビがいくらか出ていたが、もう遅いのが多かった。

ヌメリツバタケモドキ(大きな写真)
ヒラタケ(大きな写真)

 さらにブナ林を急登して反射板の立つ小ピーク。
 目の前の、毛猛山が大きい。

 ここからは一転して、林道のように広くて平坦な道となる。
 タニウツギの花越しに、守門岳方面がよく見える。

 平坦な道は、吹峠分岐までで、分岐からは、尾根の上を登っていく。
 とはいえ、傾斜はきつくない。

コシアブラ1(大きな写真)
コシアブラ2(大きな写真)

 芽吹き始めたマンサクやカエデ類に混じって、コシアブラも点々と生えている。
 ほとんどは葉を開いた状態だったが、状態のよいのも、何本か見つかった。

カタクリ(大きな写真)
サンカヨウ

 ずいぶん蒸し暑い日だったが、足元に花も出てきて、春山らしくなる。
 咲いていたのは、イワウチワ・ミヤマカタバミ・サンカヨウ・ツバメオモトなどだが、ツバメオモトはたくさん咲いていた。

イワウチワ(大きな写真)
ツバメオモト(大きな写真)

 南岳に近づくと、雪田や雪田あとを通る。
 雪解けあとには、カタクリやショウジョウバカマが芽吹き、ちょうど花咲いたところだった。
 この季節に、カタクリに出会えるのが、うれしい。

ミヤマカタバミ(大きな写真)
イワカガミ(大きな写真)

 南岳は、狭くて地味なピークだが、浅草岳が目の前で、好展望。
 背後には、会津朝日岳・会津駒ヶ岳・燧ヶ岳・至仏山・平ヶ岳・越後三山・荒沢岳・毛猛山などが指呼できた。

 南岳からが鬼ヶ面山らしく、東側の急斜面に雪の滑ったあとの生々しいガレ場となり、尾根上を注意して進まなければならない。
 ミツバオウレンやイワカガミがいたるところに咲いており、ヒメサユリが咲き始めた中を登下降していく。

残雪(大きな写真)
ヒメサユリ(大きな写真)

 南岳からいったん下って、登り返したところが鬼ヶ面山かと思ったら、案に相違してそこは忠右エ門沢カッチで、鬼ヶ面山はもう少し先のピークなのだった。
 浅草山塊を始め、この近くの山には、「カッチ」と名のつくピークや岩場が多い。
 「カッチ」とは、古いアイヌ語で「水源」を意味するらしい。
 そこはまさに水源そのものなので、古アイヌ語地名が現代の日本列島に生きている一例だと言える。

浅草岳を望む
山頂から田子倉ダム

 鬼ヶ面山からの展望も同じようだった。
 ずいぶん疲れた風なので、とりあえず、ピークでしばらく小休止。
 雪解け期に発生する小さなアブが飛び回っていて、うるさい。

燧ヶ岳を望む
未丈ヶ岳を望む

 帰りは、来た道を忠実に戻るだけだった。