高曇りの山頂
−高倉山往復−

【年月日】

2011年6月5日
【同行者】 単独
【タイム】

駐車スペース(8:12)−高倉山(9:52-10:02)−駐車スペース(11:08)

【地形図】 六日町 ルート地図

タニウツギ満開
オオバキスミレ

 登山口に至る道路に、テーマパークのアーチみたいなものがかかっていたが、先へ進むと、朽ちた廃屋が左右に点在する荒地になった。
 コンクリートを流した道路を登っていくと、終点に2台分の駐車スペースがあって、登山道開鑿碑が建てられていた。
 すでに自動車が1台止まっていたが、山菜取りの人らしく、2人の女性がワラビやウドの入った袋を抱えていた。

 支度をして登山道に入ると、ワラビがちらほら出ていたが、さすがにもうほとんど残っていなかった。
 道ばたでは、タニウツギが満開だった。
 登山道からすぐにコンクリ道になり、さらに砂利道にかわると、金城山の見える広場になって、山道になる。

ヤマツツジ咲き始め
ヒメシャガのかそけき花(大きな写真)

 枯れた沢の前後にオオバキスミレが咲いていたが、その先は坦々とした雑木林の急登になる。
 ナナカマドやアズキナシの花がちょうど満開で、ヤマツツジにはやや早い。
 足元に、イワカガミの花殻があるが、上部に行けばイワカガミの花を見ることはできそうだった。

 五合目までは比較的元気に登っていけた。
 ここには、入道ブナという奇ブナがある。
 岩の割れ目から芽生えた巨木だが、幹がなく、奇怪な塊状をなしている。
 どうしてこのような奇木ができたのか、ちょっと想像できない。

 その先も急登が続く。

ウワミズザクラ(大きな写真)
入道ブナ(大きな写真)

 足元にミツバツツジの花が落ちていたのだが、上部には咲いている株もあった。
 よく見ると、雄しべが多いので、トウゴクミツバツツジかと思ったが、分布域からするとおかしいので、たぶん、ユキグニミツバツツジという花ではないかと思う。
 花から受ける印象も、トウゴクとは感じが違っていた。

アズキナシ満開(大きな写真)
ユキグニミツバツツジ(大きな写真)

 傾斜はちっとも緩くならず、ますますきつくなる。
 基本的にブナ・ミズナラの二次林なのだが、ミズナラの枯れが目につく。
 新緑を通り越して、深緑に移りつつあるブナ林も美しい。

 そろそろ先が見えてくれないかと思ったころに、七合目の表示を見てがっかりするが、東南尾根と合するあたりから傾斜が多少らくになる。
 ヒメシャガの淡い花は、さわると壊れそうな繊細さがいい。

 オオカメノキやタムシバが咲いていて、ようやく雪国の春らしい。
 たぶんウワミズザクラだと思われる花も見たが、ことによるとシウリザクラだったかもしれない。

 八合目の表示はあまり遠くなく、ひと登りで頂稜に着く。
 展望はよいが、足元の花は、金城山に比べて多くない。
 それでも、そこそこのイワカガミが咲いていて、気分がよい.
 岩の上には、ツクバネウツギも咲いていた。

イワカガミ(大きな写真)
八海山

 登り着いた山頂には、鉄のポールが立っていて、さえぎるものは何もない。
 金城山は雲に隠れたが、八海山がぼんやりと見えていた。
 中ノ岳や駒ヶ岳はまったく見えず、残念だった。

 帰りは来た道を下った。
 11時過ぎには下山できたので、登山口近くの養徳寺を見学した。
 お寺の入り口には、太良兵衛の石仏が並んでいた。

養徳寺
太良兵衛の石仏

 ネットで調べたところ、太良兵衛とは、舞台村(三国川ダムの直下あたり)に住んでいた信州・高遠系の石工で、生涯に約3000点もの石仏を製作した稀代の人物だという。
 各種石像を作ったのだろうが、ここにあったのは、大日如来と脇侍像だった。

 お寺は素朴だが、立派な伽藍を持ち、境内には、モミとカツラの大木があった。

 その後、五十沢温泉で汗を流して、帰途に着いた。