オオミスミソウ・濃ピンク花(大きな写真)
| オオミスミソウ・淡ピンク花
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3日間の佐渡滞在だから、一日をフルに使えるのは2日目のこの日しかない。
天気も良いので、今回のメインと考えていた金剛山〜ドンデン山を歩いた。
まずはドンデン山荘から自転車で海まで走り下る。
梅津川に沿う一帯はおおむね水田地帯だ。
耕地整理の完成した田んぼでは、ちょうど田植えの真っ最中だった。
海まで下ると県道を北上。
駒坂、吉住、椿、北五十里と走り、白瀬川にかかる橋のところで左折して白瀬の集落へ入っていく。
白瀬川は流程も短い小さな川だが、河口からほどよい段差を持つ渓流で、落ち込みにはいかにもイワナかヤマメが潜んでいそうだ。
内地の川のように「釣り券を買え」というような表示がない代わりに、「鮭を捕るな」という看板が立っている。
白瀬も田植えの最中で、石垣を築いた上に棚田状の広い田んぼがあって、年輩の方々が田植えや補植に余念がなかった。
こぎ登るのが厳しくなってきたので、登山口の少し手前の道路わきに自転車をデポ。
新緑に包まれて美しい道だが、傾斜はなかなか。
ニリンソウ・エンレイソウ・オオサワハコベ・タニキキョウ・シュンラン・ニシキゴロモなどが至るところに咲いている。
シジュウカラ・ウグイス・キビタキなどのさえずりもにぎやかだ。
登山口の標高が80メートルほどなので、ずいぶん登ったつもりでも歩程は、はかどらない。
標高400メートルほどのところで最後の水場。
小沢を渡るのだが、貴重な休憩点だ。
オオミスミソウ・白花
| 白花カタクリ
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ブナの大木をいくつか見ながら登っていくと、マキノスミレ・ナガハシスミレ・ハルリンドウ・スミレサイシン・センボンヤリなどが可憐だ。
エチゴキジムシロ咲く急登を登りきって尾根に出たあたりから、季節は1ヶ月近くさかのぼって4月上旬の風情となる。
登山口では実をつけていたカタクリがここでは至るところに咲き乱れており、キクザキイチゲやオオミスミソウも満開だった。
無数のカタクリの中には、白花に見えるほど色の薄い個体も、いくつか見られた。
あまりにみごとな花が次々にあらわれるので、なかなか前に進めない。
急傾斜の灌木帯を登りきると、鳥居が見えてき、お堂の建つ金剛山に着いた。
キクザキイチゲ・ブルー花
| アマナ大群落(大きな写真)
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360度の展望だが、風もありやや霞がかかっていた。
目的地までの距離にして3分の1ほど歩いたわけだが、5時間近くかかってようやく金剛山。
めざすドンデン山ははるか遠くだ。
あまり休まずに北へ下って、大佐渡主脈をめざす。
ここからはところどころ残雪を踏みながら、ややわかりにくい道。
雪を踏み抜くと厄介だが、芽生えたばかりのキクザキイチゲが白や青の花を咲かせている様子は、まさに早春そのもの。
雪畑山分岐からの主稜線もおおむね樹林の中を巻いていく。
このあたりの湿地帯にはザゼンソウが多い。
アオネバ谷あたりでは葉が成長してしまい、今ひとつだったが、ここではちょうど見ごろといえた。
ザゼンソウ咲く湿地も多い
| ドンデン池
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地形図にタダラ峰とあるドンデン山一帯は、牧場になっている。
樹林を抜けて放牧地に出ると、霞がかかってはいるものの、展望が開けで気分がよい。
足元には圧雪でぺちゃんこになった牛の糞がたくさん落ちているが、アマナの大きな群落にもなっていて、それがいっせいに開花している様子もまた、すばらしい。
樹林と草原をいくつか越えていくと、ドンデン池。
高いところに見えるのは、キャンプ場の建物か。
とりあえずめどの立つところまで歩けたので、池のほとりで大休止。
ここからも小さなピークを越えねばならなかったが、かなり強い風が吹いていたため涼しく、あまり疲れずにドンデン山荘の裏に出ることができた。
この日の山荘は満室だったので、自転車を回収しに行った後、山荘わきで幕営した。
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