【年月日】 1992年5月25日 |
登山口に着いたのは7時前。
今年はどうも夏のくるのが早いようだ。
雨のなか、ツツドリ、アカハラ、カッコウ、ホトトギスなど、鳥の鳴声だけが響きわたっている。 草花は岩場を右からトラバースするところにジュウニヒトエのような白い小花が咲いていた程度だが、色鮮やかなミツバツツジ、タムシバ、ムラサキヤシオ、ユキツバキ、オオカメノキなどが咲いていた。 道のわきに残雪が見えるようになると、ショウジョウバカマの花がめだってき、イワカガミは姿を消す。咲く時期が微妙にずれているのである。
傾斜がゆるくなると、沢の源頭の雪渓に出る。
その上でまたルートがわからなくなったが、今にも落ちそうにひび割れている雪の上をストックを突きながらトラバースし、再び尾根の上に出た。 高度計の数字からして、三ノ芝ピークの頂上近くにいることがわかったが、ガスが晴れそうにないので、万一に備えてメモ帳に雪田上のルートの見取り図を書きながらさらに登っていく。 三ノ芝から少し下ると尾根がやせてき、ルートは迷いようがなくなるが、登山道が東側に張りだした雪庇に隠されているところがときどき出てきて、気分がよろしくない。
雪庇もなくなり、尾根上の急登となると道端には、カタクリ、キクバオウレン、ツバメオモト、オオバキスミレ、イワナシなどの花が咲く。
森林限界を過ぎ、草原となってニッコウキスゲの芽だしが見えてくると傾斜がゆるみ、山頂に着いた。
残念だがルートも心配なので、すぐに山頂を辞して下山にかかった。
きたとおりに雪田を下り、雪渓をわたって登山道に出るとほっとして、猛烈な空腹を覚えた。 家へ帰るには早い時間だったので、破間川と左沢、右沢合流点の林道ゲートまで行き、今度は左沢で魚釣りをしたがちっとも釣れなかった。
自動車のところに戻り、ゲート近くにできた「ニュー浅草岳温泉」なるものに入ってみた。
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