風雨に揺れていたヒメサユリ
- 浅草岳 -

  【年月日】 1991年7月11日
  【同行者】 単独
  【タイム】 桜ゾネ(6:45)−浅草岳(8:15)−桜ゾネ(9:37)
  【地形図】 守門岳

 本名御神楽から下山後、浅草岳登山口に近い左沢ゲート付近で幕営。

 夜になって雨が降りだし、一晩中強くなったり弱くなったりしながら降りつづいた。
 同行の友人は、イワナ釣りに行くと言うので、ヒメサユリを見に浅草岳に登ることにした。

 コースは、雨天でもあるので、桜ゾネ登山口。

 登山道のわきにはブナの大木があり、深山の雰囲気を感じさせるが、見えないところはどんどん伐採が進んでいる。

 登り一方の道なので傾斜がゆるいわりには高度がかせげる。
 森林限界をこえると潅木帯。
 雨は相変わらず降っており、ガスのなか強風が吹いていて、何も見えない。

 約1時間でカヘヨボッチ。ここで一息入れ、前岳に向かう。
 このあたりからゴゼンタチバナ、ミヤマママコナ、イワカガミ、ツマトリソウ、そして待望のヒメサユリなどがあらわれる。
 ヒメサユリはカヘヨボッチと前岳との鞍部の草原にもっとも多く、茎や葉はヤマユリよりずっと小さいがそれに似合わないピンクの大きな花を強風に揺らせていた。

 前岳のトラバースは、草原の裸地化がすすんでいて、前が見えないとルートを見失いかねない。  ネズモチ平から登ってくる道との出合を過ぎると、本峰との鞍部の雪田。

 雪田を渡って木道をしばらく行くと、本峰直下に出る。
 ミツガシワ、キンコウカなどが咲いていたが、ゆっくりそれらの花をながめている余裕はなかった。
 浅草本峰へは8時すぎに着いた。

 頂上にはもちろんだれもおらず、風がますます強くなってきたので、早々に下山にかかる。
 ヒメサユリを見ることができたことと、少々のヒラタケがとれたことがこの山行の収穫だった。