唐沢橋の駐車場に着いてから、登山靴を忘れてきたことに気がついた。
ミドリ池往復に行き先変更しようかとも思ったが、慎重に歩けば長靴でも歩けないことはないと思い、山林作業用のスパイク長靴で、歩き始めた。
唐沢橋から稲子湯へ下り、さらに白樺尾根登山道入口へ向かう。
地形図にある破線路は小沢を渡ったところで消滅したが、それらしき小尾根を登っていくと、道型が復活した。
白樺尾根登山道入口は、車道を少し歩いたところにあり、県指定天然記念物のサラサドウダンツツジ群落という看板が立てられている。
ツツジはようやく芽吹いたばかりで、花はもちろん、咲いていなかった。
二次林ふうの浅い樹林を緩やかに登っていく道は、リエックススキー場の散策コースでもあるらしく、よく整備されている。
シラカバも多いが、中ほどあたりはカラマツの植林地である。
ほぼずっと平坦なのだが、林道を渡り、コメツガがあらわれるあたりから急登になる。
休まず来たので、ちょっと苦しい。
残雪が出てくると、踏み抜く箇所もあってスピードはあがらなかった。
キクバオウレンがほんの少しだけ咲いていた。
二つ目の急登を登りきると、樹林の中の雪山歩きとなる。
登山道が見えないので、赤テープの目印を追って歩いていく。
まもなく、シャクナゲ尾根分岐の十字路である。
ここからは、単独者の薄いトレースがあったので、目印とトレースを追っていくが、平坦な地形では何度か、道をロストしそうになった。
白駒池との分岐あたりはじつに不鮮明でルートがわからなくなったが、ニュウまでシャクナゲのヤブを強引に登っていった。
岩峰に出ると雪はなく、夏道と同じ状態だった。
雲はやや多かったが、青空も見えており、いい天気だった。
東西天狗や白駒池方面はよく見えていた。
富士山には雲がかかっていて、今ひとつだった。
風をよけることのできる岩陰で大休止。
休まず来たので、かなり疲れた。
途中摘んできたコゴミを入れた炒めご飯を食べて、下山にかかる。
シャクナゲ尾根分岐までは、来た道を戻り、そこからはシャクナゲ尾根を下った。
ここは去年も下ったところなのだが、尾根に乗るまではやや複雑なルートである。
道が雪に隠れているので、ミスしないように考えながら下っていった。
尾根に乗ってしまえば、残雪もなくなり、迷うところはない。
惜しむらくは草花や樹の花が咲いていないことだが、春の尾根は明るい。
長靴なので、足をひねったりしないように気を使いながら下る。
大岩を過ぎるとすぐに林道で、唐沢橋も近い。
早朝には開いていなかったミヤマカタバミがカラマツの林床で、さかんに咲き始めていた。
結局、ずいぶん早い時間に戻ることができた。
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