手術の予定が近づいてきたので、軽い山行き。
麦草峠の駐車場に着いたのは八時ころだったが、まだ数台分のスペースが空いていた。
ここは、みんながもう少し詰めてとめればいいのだが、早く来た人たちは車一台がちょうど入らないくらいのぜいたくなスペースをあけてとめるので、あまり入らないのである。
まずまず晴れていて、そよ風が吹いていたが、じっとしているとやや寒いくらいだった。
麦草峠のお花畑は、二週間前と花の種類がずいぶん入れ替わっていた。
ハクサンフウロとコバノギボウシ・ネバリノギランは相変わらず咲いていたが、オヤマリンドウは花殻になっており、ヤマトリカブトが盛んに咲いていた。
花が風で揺れるので、花の観賞はあとにして、白駒池へ向かった。
スズタケの下生えの森を抜けると、小さな溶岩台地に出る。
ここに来たのは、初めてのような気がする。
コケモモが紅く色づいていた。
再び森に入ると自動車の音が近づいてき、広い道になると観光客の姿も混じる。
ここから白駒池は平坦な道をすぐなのだが、北八ツのなかでも、苔むしたコメツガの森の風情が最も秀逸な一角だと思われる。
木漏れ日がさすとよくないので、曇りの一瞬を待って森の写真を撮った。
思わず目は、きのこを求めてしまうが、カワリハツ・フサクギタケ・ベニテングタケ・クサハツ・ヤマイグチなどがちらほら出ていただけで、ショウゲンジは見あたらなかった。
苔は美しいが、「苔の森」と大書した幟旗が森の中に立っているようすは、なんだか浅ましかった。
青苔荘と白駒荘の分岐になる十字路は左折して、青苔荘へ。
こちらにはテント場があるのだが、スノコ付きなので、テント場代が高そうだ。
池を一周する道は、溶岩ゴロの中の木道である。
メボソムシクイがすぐそばで鳴いていた。
信濃路自然歩道の分岐とニュウへの分岐を過ぎると、高見石分岐のすぐそばに建つ白駒荘に着いた。
この小屋を見るのも初めてだったと思う。
小さなボート乗り場が設けられていたが、人の姿は見えなかった。
高見石へは、磨かれた丸石の中を登っていく。
雨が降っていたら、歩きにくそうなところだ。
登り30分くらいで、高見石小屋。
二週間前と同じ場所に腰を下ろし、大休止にした。
いつかここで、幕営してみたいが、人通りが多いので、気になるかもしれない。
丸山経由の道は先日歩いたので、遠回りだが、白駒池への北ルートから下山することにした。
丸山方向へしばし行き、右折してから緩やかに下っていく。
こちらには丸石がないのだが、丸太が縦に敷いてあるので、雨のときにはやはり、滑りそうだ。
ほどなく、最初に通った十字路に下り着く。
しばらく山に来ることができないので、山の雰囲気を味わいながら、麦草峠に戻った。
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