季節柄、桜平の駐車場は満杯だと思っていたのだが、唐沢鉱泉分岐からのラフロードがきつかったので、かなり手前で車を降りることにした。
林道歩きがやや長いとはいえ、道ばたに咲く花を見ながら歩くこともできるから、さほど苦でもなかった。
桜平への道路は、部分的な簡易舗装が断続的に現われるから、車高が高くしっかりした自動車なら問題なく走れると思うが、30万キロ近く走ったFFのフィールダーには、ちと厳しい。
ちょっとした駐車スペースには、同じような事情なのか、何台もの車がとまっていた。
標高1750メートルを越えているとはいえ、そこそこ暑いので、日陰を選びながら歩く。
ミヤマモジズリ。
以前は、奥秩父の林道はたにも、ごく普通に咲いていたが、近ごろはほとんど見なくなった。
イブキジャコウソウは、こんな低地にも咲くのだろうか。
ハナイカリ・キバナノヤマオダマキ・ウツボグサ・シナノオトギリ・シロバナノヘビイチゴなども、点々と咲く。
歩き始めはヒノキの植林地だったが、自動車の溢れかえった桜平を過ぎれば、北八ツらしい針葉樹林になる。
とてもいい感じだ。
桜平から夏沢鉱泉まで約30分。
建物わきのあずまやで腹ごしらえしてから、日帰り入浴を申し込むと、とても鄭重に案内してくれた。
薪で焚いたお湯は、かき混ぜてややぬるいくらいだった。
湯の花とゴミが混ざった半透明のお湯で、なかなか効きそうだった。
お湯に入ると歩くのが億劫になるが、道ばたで実っていたマタタビを、いくらか摘んで帰った。
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