悪天予報ではなかったのだが、小淵沢の駅を下りると、どうも芳しくない天気だった。
関東地方は梅雨明けしたが、西〜北日本にかけて前線が残っており、それがまだ元気に活動していた。
この日は日本海に低気圧が入り、湿った空気が、南から脊梁山脈に吹きつけていたようだ。
甲府あたりはまだ降っていなかったが、小淵沢で雨になっていたのは、八ヶ岳あたりが前線への暖気供給地点になっていたからだろう。
小淵沢から観音平までタクシーを使い、ガスの漂う観音平からスタートした。
ニッコウキスゲ・ユウスゲ・シモツケなどが咲いており、駐車場は満杯だった。
雲海まで登ってひといき入れる。
展望なし。
ミソサザイがにぎやかにさえずっていた。
カラマツ林の中の坦々とした登りだが、部分的にひどく食害されたところがあった。
シカによる食害を目にすることはよくあるが、これほどひどいところは見たことがなかった。
巻道との分岐あたりは、落ち着いた感じのシラビソ・コメツガ林。
ここからは一気の急登が続く。
イワシャジン・ゴゼンタチバナ・ツマトリソウなどが足元に咲いているが、雨に打たれて気の毒だ。
ハイマツ帯に入るとタカネバラ・ミネウスユキソウ・コケモモなどが多くなり、ひと頑張りで編笠山。
展望皆無な上、じっとしてるとすぐに冷えてくる。
なすすべなく、さっさと青年小屋方向へ下る。
ハクサンシャクナゲはちょうど見ごろだった。
青年小屋の平坦地にも、強い風が吹いており、背後の編笠山はガスのため全く見えなかった。