不動像と巨杉
- 太神山 -

【年月日】

2003年2月23日
【同行者】 Uさん
【タイム】

大堰堤下(10:45)−泣不動(11:23)−太神山(11:55)
−大堰堤下(13:15)

【地形図】 朝宮、瀬田

不動寺本堂

巨杉

 天神川に沿う林道付近は、アカマツと雑木の林で、それなりの雰囲気があるところなのだが、立入禁止の札と張りめぐらされた荷造りテープが、目にさわる。

 大堰堤の手前、地蔵様の立っているところに、ちょっとしたスペースがあるので、ここに自動車を止めて太神山に向かった。

 林道から参道にはいると、赤く錆の出た花崗岩の山肌にアカマツが生えた、湖南の山特有の様相。
 このあたりは、山がとてもやせているので、樹木より、露出した山肌の方が目立つくらいだ。

 参道は東海自然歩道なので、いつ歩いてもいいのだと思われるが、マツタケ山落札者の連名によって、道以外のところは立入禁止だと書かれた札が、至るところにぶら下げてある。
 それはまぁ、そうなのだから、しかたがないのだが、腐った荷造りテープがちぎれて、ツツジの小枝に絡まり、あちこちで揺れているようすは、とても汚らしい。
 オフシーズンの間は、山を清浄に保つべきなのではないだろうか。

 しばし登ると、尾根の上で、道は平坦になる。
 アカマツがちではあるが、あたりには、サカキ、ツバキ、アセビなどの下生えも出てきて、落ち着ける道だ。

 休憩所のある祠を過ぎてしばらくで、泣不動。
 目が大きくて、ちょっと印象的な不動像が、石に刻まれている。
 以前来たときには、雨のため、この先で引き返したのだが、このあたりがちょうど中間点だろう。

 山門とおぼしきところには、ちょっとなまめかしいポーズをとった不動像が二体。
 この像は、古いものなんだろうか。
 ここからは、境内らしく、大きな木が多くなる。

 庫裏のような建物を見て、本堂に登る石段の下に、スギの巨木が一本。
 胸高直径140センチくらいか。
 これだけのスギは、そうどこにでもあるものではない。
 姿はすっきりとまっすぐで美しく、樹肌も若々しい、とても見事なスギだった。

 石段を登っていくと、舞台づくりの不動寺本堂。
 尾根上の巨石の根に、お堂がくっついており、高く組みあげられた井桁によって、建物が支えられている。

 清水の舞台をスケールダウンしたような構造だが、文化財に指定されたことは書いてあるのに、建築年や最終的な修復がいつだったのかなどは、書かれていなかった。

 太神山三角点は、そのすぐ上だった。
 展望は全くないが、静かな山頂だった。

 天気はあまりよくなかったのだが、腰を下ろしたとたんに、小雪が舞い始めた。
 ゆっくりすることはできなかったのは残念だったが、二度目にして不動寺までたどり着けたので、満足できた。

 下り始めると、雪は雨に変わった。