積雪の状況が今ひとつ不明だったので、幕営と雪洞泊の両方の支度をしてきたため、自分としては重荷に感じる荷物量だったが、最後のご奉公なので、老体に鞭打って頑張った。
先月はスノーシューを使ったのだが、ワカンに比べて浮力は勝るものの、自重が重く、下りでやや使いづらかったので、今回は久しぶりにワカンをはいた。
緩傾斜な日帰りコースであればスノーシュのほうが使いやすいが、ある程度の登降があり、状況により道具を背負って歩かねばならない場合には、やはり機動性に優れるワカンがよい。
現地に着いてみると、積雪量は十分で、快適な雪洞ができそうな感じだった。
ブナ林の三角点付近で小休止し、ほどなく雪洞地点に到着した。
雪がやや柔らかかったので、天井が崩落するとまずいと思い、横穴の位置をなるべく深く掘ろうとしたのだが、掘り進むとほどなく、ブッシュが出てきてしまった。 その辺のさじ加減は、なかなか難しい。
午後三時に夕食ができてしまったので、早々と食べてしまい、早めの寝支度とした。
見た目はそれなりのスペースだったが、入口側の肩部分が崩れやすく、自分の身体が玄関側に転落しそうで、実際にはかなりきつかった。
寝ている間は落ちないように足を突っ張り、おかしな姿勢で頑張っていたのだが、個人マットが時々ずり落ちた。
夜中にトイレに出てみると、福島市方面の夜景がきれいで、翌日の天候は期待できそうだった。
翌日は、二年前と同じように、雲はあるものの、風がなく、遠望も得られる、穏やかな天気だった。
土湯峠で風がないというのは、初めてだ。
鬼面山に登っていくと、灌木にエビのシッポがついて、美しかった。
山頂の道標についたものは、なかでも立派だった。
ブナ林に雪のついた箕輪山も、とても美しかった。
磐梯山や蔵王連峰などもよく見えていた。
去りがたいほど気持ちのよい山頂だが、しばし休んで下山にかかる。
雪洞に帰ったあと、やや暇を持て余したが、時間になったので、下山。
あっという間に相模屋さんに着いた。
到着してしばしまったりしていると、風が吹き始めた。
強い冬型気圧配置になったのだ。
翌日は吹雪になるのが確実になったのだが、これは想定内だったので、ゆっくり休んだ。
雪洞地点を過ぎ、稜線に登ってみると、思った通りの強風が吹いていた。
例年下っている尾根より、一本西の尾根を下ったのだが、特に問題なし。
あっという間に、横向スキー場に着いた。
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