横向温泉から新野地温泉

【年月日】

2014年2月8日〜10日
【同行者】 おおぜい
【タイム】

2/8 横向スキー場(8:00)−1216三角点上部(9:04-9:24)−反射板鞍部(10:07) 幕営
2/9 反射板鞍部(10:15)−新野地温泉(10:36)
2/10 新野地温泉(8:01)−反射板(8:36-8:47)−横向スキー場(9:22)

【地形図】 吾妻山、中ノ沢、土湯温泉、安達太良山 ルート地図

 この冬は、冬型気圧配置が持続せず、寡雪気味だという情報だった。
 雪洞が掘れないほど雪が少なくては困るので、今年はテント泊のつもりで出かけてきた。

 横向スキー場に入る前に時間待ちをする道の駅土湯でも、明らかに雪が少なく、舗装面が露出していたが、明るくなるころにちらほらと雪が舞い始め、周囲はあっという間に真っ白になった。

 開会式のあと、いつものように雪に覆われた車道を行く。
 雪は降っていたが、まだ本降りではなかった。

雪降るブナ林1(大きな写真)
ブナ林の幕営地(大きな写真)

 ブナの疎林をしばし登り、いつもよりやや上部の、ヒノキの植えられたあたりで小休止。
 みんな、なかなか元気だった。

 鷲倉温泉を見下ろすガケのところは、南側をトラバースして、いつもの泊地に着いた。
 雪洞は例年、斜面の中ほどあたりに掘っているのだが、今年はテント泊だから、斜面よりやや北の緩傾斜の場所を泊まり場と決めた。

 スノーソーとスコップを使って雪面をいくらか掘り下げ、テント二張り分の平坦地を作った。
 雪面には、柔らかいところと程よい堅さのところ、完全に氷化したところが混在していた。
 掘り出した雪のブロックは幕場の周囲に積み上げて、防風壁にした。

 ひどい降りではなかったので、お昼過ぎには設営が完了して、雪洞作りよりずっと早い時間にのんびりすることができた。
 トイレは、斜面をやや下ったところに深さ一メートルほどの穴を掘って作った。

 しかし、ほっとするまもなく、強い風が吹き始め、水作りのためにガソリンコンロに点火するのが、かなり大変だった。

 食事をすませ、薄暗くなったころに強風を押してトイレに行ってみたが、ずいぶん深い穴を掘っておいたにもかかわらず、トイレは完全に埋まっていた。
 テントの周囲(特に風下側)には大量の雪が積もり始め、夜半の除雪が心配された。

風雪が凪いだ一瞬(大きな写真)
雪のブナ林1(大きな写真)

 結局、最初の除雪が午後六時ごろで、その後約二時間ごとの除雪を強いられた。
 雪の積もる早さは、風下側で二時間に約50センチほどだった。

 難儀だったのは、フライシートの前室がピンと張ってあったために、風を受けると、フライのファスナーが自然に動いてしまい、フライがめくれてバタバタと音を立てることだった。
 しかも音だけならいいのだが、そこに雪が吹き込んで、どんどん積もってくる。
 積もった雪は、テントの入口をふさぎ、放置するとテントから出られなくなりそうだった。

 除雪は、登山靴に履き替え、スパッツを装着しなければならないから面倒なのだが、二時間に一度程度でよいのだが、フライがあいてしまうのは五分に一度くらいだから、面倒臭くってやってられない。
 とはいえ、これもまた、ちゃんと閉めてやらないとならないのだった。

雪のブナ林2(大きな写真)
雪のついたブナの枝(大きな写真)

 ありがたいことに、フライシートの裾が雪に埋もれてからは、このバタバタは解消した。
 とはいえ、二時間に一度の除雪は続いたから、結局、ほとんど眠ることはできなかった。

 翌朝、食事をすませてからしばしマッタリしてリーダーミーティングの結果を待った。
 自分としては、九時半出発、土湯峠に十時半、鬼面山正午ならどうにかなると思っていたが、即刻撤収となった。

 さっそく撤収の準備にかかったころには雪も小やみになり、天候は持ちなおしたかに見えた。
 ここで、自分のストックが見あたらないことが明らかになった。
 除雪の際に、ついでにトイレに行ったのだが、そのときに使ったストックをしっかり立てておかなかったらしく、倒れたストックは、どこに埋もれているかわからなくなっていた。

 撤収作業の間、スコップであたりを掘り返しまくったら、幸運なことに30センチほども埋もれたストックを見つけることができた。
 これはかなり奇跡的なことだった。

 その後、パーティごとに新野地温泉に下っていった。
 泊まり場から新野地にかけては壮年ブナの森だが、雪のついたブナの森の風情はみごとだった。

 最終日は、昨年のような好天かと期待していたが、意に相違して曇り案配で、雪もちらついていた。
 今年の新人大会は、結局ずっと雪降りだった。

 反射板から横向へは、積もったばかりのふわふわした新雪の中を、泳ぐようにして下る。
 それにしても、ずいぶんよく降ったものだとあきれるほどの雪だった。