皆沢から野峰

【年月日】

2002年3月3日
【同行者】 Nさん
【タイム】

皆沢林道ゲート(9:23)−野峰(11:42)−祠のある岩峰−
尖峰下(13:30-14:40)−峠(16:15)−林道ゲート(17:15)

【地形図】 沢入、番場 概念図(ポップアップで開きます)

野峰から男体山を望む

 Nさんのご提案によって、前回歩いた鋸山から多高山のルートと接続するコースを使って、野峰を歩くことができた。

 Nさんと待ち合わせた皆沢林道入口付近では、早くもカタクリが芽を出し始めていた。
 解禁後最初の日曜日とあって、釣り人の車がひっきりなしに通り過ぎていった。
 事情はよくわからないが、猟期は終わったはずなのに、ハンターの車もすこぶる多かった。

 林道のゲート手前で車を降りると、ゲートに注意書きがつるしてあって、野峰への一般ルートは、立入禁止とのことだった。
 予定していたのは、立入禁止区域を迂回するルートだったので、問題はなし。

 林道をしばらく歩くと、ハンターの車がそこここにおいてあり、この日は大々的な巻き狩りが実施されるようだった。
 Nさんが聞くと、狩りの対象はシカとのことだった。

 ところでおれは、この前日、生まれて初めて花粉症なるものを発症したので、スギ花粉舞う里山は、なかなか苦痛な上、前夜の宴会の酒がまだ、完全には抜けていないのだった。
 しかし、Nさんにそのことを言うと、ちょうどよいハンデだと、一蹴された。

 二つ目のヘアピンカーブの所から、尾根にとりつく。
 踏みあとは全くないが、さほどひどいヤブでもない。
 尾根の上はアカマツが多いが、斜面はことごとくスギなので、途中のコンビニで買った花粉マスクなるものを、初めて装着したが、これをつけるとめがねが曇ってしまうので、具合はよくなかった。

 1時間ほどの登行で閉篭里方面から登ってくる、正式な登山道に出た。
 山頂しばし手前の小さなピークに寄り道して、小休止。
 展望は開けないが、男体山、奥白根山、皇海、袈裟丸などが樹林越しに見え、気分の良い日だまりだった。

 野峰直下は、ササの下生えにミズナラが点在する、このあたり特有の美しい林だった。
 桐生川水源の山は、願わくばいずこも、このようであってほしいと願う。

 ひさびさに訪れた野峰は、北側が少し伐開されて、男体山がよく見えるようになっていた。
 しかし、背後がスギ林で、あまりいい気分のところではないので、ここはさらに進むことにした。

 少し戻って、野峰南峰から南東への尾根に乗る。
 比較的やせた尾根で、ルートも明瞭だが、ツツジ類のヤブは、かなりうるさい。

 細かな登降を繰り返すと、北東側に、丸岩岳から奈良部山にかけての尾根がよく観察できる。
 このあたり、完全にNさんのテリトリーである。

 「番場」の地形図に入ったあたりに、小さな岩峰がある。
 位置は、急傾斜の尖峰のすぐ北だ。
 この岩峰には、細いながらも、ちゃんとした鎖が掛けられており、てっぺんには、石の祠が鎮座していた。
 西から南への展望が広がる、気分のいいところだが、大休止は目の前の尖峰を下ってからと決め、ここは北側から巻き下った。

 尖峰を越えると、おだやかなミズナラ林。
 ここで、アルコールをまじえて、しばしくつろいだ。

 その先で、尾根を一本まちがえたのは、たぶん酒のせいだった。
 20分くらいのロスタイムだったが、体力はかなり、消耗した。
 彦間側からの破線路が越えるところは、10年くらい前に枝打ちに入ったものか、かろうじて道形が残っていた。

 鞍部からやや長く感じる登りをひとがんばりで、鋸山に続く尾根の一角。
 多高山方面への接続点は、先々月も来たところなのだが、わかりづらいので、慎重に行った。

 無事に尾根に乗ると、急降下で、「飛駒村村有林」の石柱のある峠。
 峠付近は、不思議なほどしっかり残っていた道だが、下るにしたがって不明瞭となり、やがて消えてしまった。

 古道を踏み通せなかったのはくやしいが、やむを得ず、沢を下った。
 結果的には、首尾よく、自動車を止めたところのすぐ近くに下り着くことができた。