永野御嶽山神社から三峰山

【年月日】

1998年3月21日
【同行者】 単独
【タイム】

セツブンソウ入口(8:30)−御嶽山神社(8:40)−奥ノ院
(9:45)−三峰山(10:40)−セツブンソウ入口(12:00)

【地形図】 下野大柿、仙波

 星野のセツブンソウ群生地入口には、「大売り出し」と染めぬかれた幟が林立しており、まだ朝も早いというのに、大音量の演歌が流されていた。
 今日は何を売り出していたのだろう。

 自動車をそこにおいて、右に岩倉山を眺めながら橋を渡って、永野御嶽山神社へ。

 砂利の敷きつめられた境内には、石造物が、これでもかこれでもかと建てられていた。
 これほどりっぱな神社となると、あまり感興が湧かない。
 一応本殿で拝礼。
 奉納されている大きな絵馬がとてもおもしろい。
 これはまたゆっくり見に来たい。

 建物のわきから石段で裏山へ。
 あたりはニリンソウの大群落が芽生えたばかりで、これが開花するとすばらしいだろう。
 今日は、アズマイチゲが一輪咲いていただけ。

 その上は林道あとからスギ林に入る。
 清滝とはどのような滝かと思っていたら、人工滝でがっかりした。
 足元には、早くもユリワサビが咲いていた。

 新しい植林地になると、普寛行者のお堂を見て、石祠と、なんとか霊神と彫られた石造物の林立したところを急登。
 石祠や石造物はおもしろいのだが、これほどたくさんあると、「あいつが建てたから、俺も建てよう」という虚栄心が感じられもするし、苔むした古いのがうち捨てられていて、平成の年号の入ったのが幅をきかせていたりすると、興が冷める。

 急なところを右に回り込むと、草一本生えていないスギの美林だが、見るものがないから、黙々と歩いて尾根に出ると、雑木林で一気に明るくなる。  カタクリの芽生えをよけながら、しばしで露岩のある奥ノ院。
 高皇産霊尊、天之御中主尊、神皇産霊尊と、三柱の銅像が建ち、岩倉山を正面に見る、好ましいところだった。

 少し戻って、スギの多い尾根を南に行くと、右前方に石灰岩の採掘場が見えてき、立入禁止のトラロープが張りめぐらされている。
 採石場の向こうには、アド山のとんがりが見えるが、眼下の光景は無惨そのもの。

 八坂様分岐という道標を過ぎて、三峰山の三角点への分岐。
 ここには道標はなく、道もはっきりしないが、か細い踏みあとが三峰山まで続いていた。
 右に採石場が近くなるので、絹ヶ岳での戦争ごっこを思い出してしまった。

 三角点も展望皆無、石灰工場の機械の音が聞こえるのみ。
 大休止ののち、再び登山道に戻ると、鎖のかかった急なところ。
 鎖と木の根にすがってずり下ると、月山様入口だが、急なところはカンベンなので、失礼してさらに下る。

 倶利伽羅不動尊、鍾乳洞などを見て、スギ林をずいぶん下ると、ようやく林道。
 セツブンソウ入口では、相変わらず演歌が響いていた。