この時期恒例になった集団的アヤメ平ハイク。
7時半の鳩待峠は、さすがにごった返していない。
アヤメ平はは、静かな山行きを好む人が行くのだと思うので、この大集団で通行するのは、じつは心苦しい。
ここは、ブナ林からオオシラビソ林への樹相の変化がはっきりしているので、なかなかわかりやすい。
急な登りはないが、横田代に出るまでのだらだらした登りが、けっこう飽きる。
横田代に出てしまえば、展望のよい湿原が断続するので、みなゴキゲンになる。
晴れ予報だったが、青空は見えず、笠ヶ岳は見えていたが、至仏山・燧ヶ岳・日光連山の頂稜部は、雲に隠れていた。
湿原では、キンコウカが満開で、いつものようにワタスゲが風に揺れ、ニッコウキスゲがぽつぽつ咲いていた。
タテヤマリンドウは閉じたままだった。
アヤメ平を過ぎ、富士見峠への林道が見えるあたりの木道は、今年になって改修されたものだった。
東京電力が尾瀬の登山道メンテを放棄してないことがわかって、ほっとした。
竜宮分岐の池は燧ヶ岳のビューポイントなのだが、燧はあいかわらず見えなかった。
ここからは長い下りになる。
しばらく下った平坦なところには、「土場」という道標がある。
あたりには、ネマガリタケの下生えにダケカンバの若木林が広がっており、オオシラビソを皆伐した跡地だと知れる。
長沢頭から急下降する途中、沢音が聞こえるところから、ブナ林に沈んでいく。
長沢にかかる橋を渡るあたりはブナ林だが、さらに行くとミズナラ林となる。
ここまで来れば、竜宮の十字路はすぐだった。
十字路周辺の湿原では、トキソウが例年より多かった。
キンコウカはここでもよく咲いており、キスゲはやはり少なかった。
小雨が軽く降ったが、雲が高かったので、すぐにやんでしまった。
この日はシラカンバの写真を撮ろうと思っていたので、拠水林や一本立ちのシラカンバを探しながらふと見ると、至仏山や燧ヶ岳にかかっていた雲が晴れていた。
ヨッピ橋の下にはいつものようにイワナが定位していたが、今年はあまり大きいのを見ることはできなかった。
時間があまりなかったので、シラカンバ以外の風景を写すことができなかったのはやや残念だった。
ヨッピ橋から牛首までの間は、キスゲが多いのだが、今回は今まで見た中で最も花数が少ないと感じた。
湿原の中に、何ものかが座り込んだようなあとがみられたが、人間の所業でなければ、鹿がやったと思われる。
そうすると、尾瀬のキスゲを食ってるのは、鹿の可能性が高い。
森林の樹皮は、今のところ大丈夫なようだが、下手をすると花の尾瀬から草花が消えてしまいかねない。
鳩待峠へは、例年並みの時間に到着したが、大混雑しており、バスがいたるところに停まっており、ちょっとどうにもならない感じだった。
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