尾瀬が最も混雑する時期ではあるが、平日とあって、人影はさほど多くなかった。
したくをして、アヤメ平への道に入る。
同行者は昨年と同じような若者たちばかりだが、昨年の人たちと比べて勉強熱心だ。
最初はブナ林。
ツタウルシに触れないよう、同行者に注意する。
ブナ林からオオシラビソ林に変化するところも明瞭なので、同行者が納得してくれる。
ナナカマド・オガラバナ・オオカメノキ・ハウチワカエデなどを見ながら、しばらくは坦々としたゆるい登り。
横田代に出ると、広い湿原に、同行者が喜ぶ。
花はさほど多くなく、ニッコウキスゲ・サワラン・ワレモコウ・タテヤマリンドウなどが咲いているくらいだが、ワタスゲの果穂が最盛期で、たいへん美しい。
中原山を越えて、アヤメ平はさらに広く、展望もよいから、ベンチで長い小休止。
至仏山・景鶴山・平ヶ岳などがよく見えるが、燧ヶ岳は今ひとつだった。
晴れた空に涼しい風が抜けていき、気分のよいこと、この上ない。
同行者の中には、ひたすら感動している人もいれば、いるひと植生復元の概略を記した看板を熱心に書き写している人もいた。
勉強をすませ、富士見田代から長沢新道を竜宮へ向かう。
尾瀬ヶ原に出ると、いつものようにアカハラが賑やかにさえずっていた。
今日も、ここからヨッピ橋を回って山ノ鼻に向かう。
ヨッピ橋下には尺イワナがいくつも泳いでいるから、釣り好きの人には楽しい光景だ。
風はアヤメ平に比べてやや生ぬるいが、下界と比べれば別天地だ。
尾瀬ヶ原から燧ヶ岳
| ホオアカ
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ニッコウキスゲもまずまずよく咲いていたし、池塘に浮かぶヒツジグサも、続々と花を開き始めた。
雲のかかっていた燧ヶ岳も、全容をあらわした。
かなりゆとり持って歩いていたのだが、鳩待峠に14時に帰着しなければならないのに、山ノ鼻に着いたのは13時半だった。
どう考えても予定の時間に鳩待峠に戻るのは無理なのだが、若い同行者たちがハイカーを避けながら駆け始めた。
ゆるい登りだが、峠の登りで駆け続けるなど、不可能だ。
若者たちとしばらく駆けっこしたが、すぐにおいていかれた。
池塘の曲線
| 山の鼻近くのミズナラ林
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それでも、鳩待峠には、13時55分だった。
昨年同様、鳩待山荘で汗を流して帰途についた。
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