笠ヶ岳往復

【年月日】

2010年7月5日
【同行者】 単独
【タイム】

鳩待峠(6:26)−笠ヶ岳分岐(8:15)−笠ヶ岳(9:54-10:04)−鳩待峠(13:08)

【地形図】 至仏山 ルート地図

笠ヶ岳(大きな写真)
ガスに煙るオオシラビソ林(大きな写真)

 ワゴンタクシーが鳩待峠に着いたのは6時過ぎだった。
 戸倉まで休まず走ってきたため、タクシーに乗ると一気に眠くなり、目が覚めたのは峠の駐車場に着いてからだった。
 下界はそれほどでもなかったが、山はガスにおおわれており、展望は期待できそうになかった。

 平日とあって、駐車場周辺のハイカーもまばらで、静かな山歩きが期待できそうだった。

ワタスゲ(大きな写真)
ズダヤクシュ(大きな写真)

マイヅルソウ1(大きな写真)
マイヅルソウ2(大きな写真)

 至仏山登山道下部には、マイヅルソウやズダヤクシュ・タニギキョウなど、地味な花が咲いている程度。
 ギンリョウソウがあちこちで頭を持ち上げていた。

 1867メートルピークを巻くところで、南側の展望が開ける。
 ここから笠ヶ岳の鋭角的な山容が望まれて、山頂からの展望も期待できた。

イワイチョウ咲くオヤマ沢田代
咲き残ったショウジョウバカマ

 少し下って鞍部からやや行ったところに、大岩のある展望台。
 ここは、このコース最初のお花畑だ。

 ミツバオウレンとイワカガミは至るところに咲いていたが、ミヤマキンポウゲやシナノキンバイ・イワイチョウなどを、ここで見ることができた。
 7月下旬になると花期の終わるクモイイカリソウも元気に咲いていたし、シラネアオイも一輪だけ、咲いていた。

 再び樹林帯に入るが、ミツバオウレン・イワカガミに加えて、イワナシやサンカヨウも咲いていたが、サンカヨウはそろそろ、盛りを過ぎかけていた。

シラネアオイは今ひとつ
イワカガミは至る所に咲いていた

 水場を過ぎると、オヤマ沢田代。
 ここから尾瀬ヶ原の展望も楽しみだったのだが、いまひとつだった。
 とはいえ、ここから燧ヶ岳も見えていたので、この時間が、もっとも晴れていたことになる。
 咲いていたのはイワイチョウ・ハクサンコザクラ・ヒメシャクナゲくらいで、ワタスゲやコバイケイソウもこれからのようだった。

 湿原を過ぎたところが笠ヶ岳の分岐だが、この上の雪田あとのお花畑は、至仏山コースのハイライトだから、少し寄ってみたが、雪がまだ残っていて、花はまだ何も咲いていなかった。

 笠ヶ岳への道に入ると、しばらくはオオシラビソの森、
 悪沢岳を過ぎたあたりからガスが濃くなってきた。

チングルマの道
ハクサンイチゲの斜面

 展望もなく、ぬかるみを避けながら、ゆるやかに下り、さらにゆるやかに登っていく。
 東側が開けると、小笠。
 タテヤマリンドウやチングルマが咲く斜面を見ながら、再び樹林帯に入ると、硬く締まった残雪が出てき、笠ヶ岳直下の草原帯に出る。

クモイイカリソウ(大きな写真)
ジョウシュウアズマギク

 ここは美しいお花畑で、ハクサンイチゲがすこぶる多いが、それ以外にも、至仏山で見られる花のほとんどが咲き乱れていた。
 ここで見た主な花は、タカネシオガマ・ヨツバシオガマ・ジョウシュウアズマギク・ショウジョウバカマ・キンロバイ・キバナノコマノツメ・タカネバラなど。

タカネシオガマ
ヨツバシオガマ

キンロバイ輝く
キバナノコマノツメ

ホソバヒナウスユキソウは盛りを過ぎた
ダイモンジソウはこれから

 笠ヶ岳へは、斜面を横断してピークの南からガレ場を急登する。
 ここでは、ミヤマムラサキ・ホソバヒナウスユキソウ・ダイモンジソウ・タカネシオガマ・マルバヘビノボラズ・マルバシモツケ・ユキワリコザクラ・ムラサキタカネアオヤギソウ・コメバツガザクラ・ハクサンチドリ・ウラジロヨウラク・ネバリノギランなどの花を見た。

ユキワリコザクラ
ハクサンコザクラ

ミヤマムラサキ1
ミヤマムラサキ2

 滑りやすい石の間を縫って登りついた山頂は、好展望らしかったが、ガスのため片藤沼がようやく望めるくらいだった。
 しばし休んで、今度はゆっくり写真を撮りながら、下山する。

 笠ヶ岳でビンズイ、樹林帯でルリビタキなどを見たが、小鳥の声はすれども姿を見るのはむずかしい。

ビンズイ
ルリビタキ

 さほどロングコースとも思わなかったが、鳩待峠に着いたときには13時を回っていた。
 展望には恵まれなかったが、たくさんの花を見ることができ、雨にも会わなかったので、とても幸運だった。

 戸倉のマイカー駐車場のわきに、日帰り温泉ができていた。
 真新しい建物だが、泉質は従来同様に上々で、よいお湯だった。

 温泉から出たとたんに雨が降り出し、夕方前には大雨警報が出た。