前回とほとんど同じ時刻に着いたのに、並木駐車場にはどういうわけか、自動車がほとんどとまっていなかった。
キスゲの季節が終わったせいか。
あとから来る登山客もまばらだった。
ワゴンタクシーは満員にならないと動かないので、なかなか出発してくれず、待合室でしばらく待たされた。
鳩待峠からの樹林帯では、前回よりきのこがたくさん出ていて、それなりに楽しめた。
ここで見たのは、ドクツルタケ、クサハツ、テングタケ、カワリハツ、オオダイアシベニイグチ、ブナシメジなど。
花も鳥も、前回とほぼ同じ。
横田代まで来ると、後ろに至仏山が大きい。
湿原では、イワショウブの花が増え、オヤマリンドウもちらほら咲き始めていた。
アヤメ平から燧が見えるかと期待していたが、ちょうどガスに隠れてしまった。
とはいえ、雨の心配がほとんどないので、のんびり歩けた。
小田代の池を過ぎて少し下ると、富士見小屋。
小屋の感じはいいのだが、自動車が横付けされているので、興が冷める。
ここからしばし林道歩き。
砂利を敷いた道路の脇に、サンカヨウの青い実が揺れている。
サンカヨウは、こんなところに咲いていてほしくない。
電波塔のあるところから山道になる。
白尾山までは地形図で見るよりやや距離感がある。
白尾山は樹林がやや低いので、まわりが多少見えている。
ここからの燧ヶ岳は「耳二つ」の形をしていた。
皿伏山へは長く下って登り返す。
鞍部にあるはずのセン沢田代は見つからなかった。
このあたり、ずっとオオシラビソ林だが、標高が下がったところにきのこがある。
オオダイアシベニイグチ、カワリハツ、アンズタケ、クサハツなど。
この日は、クサハツが大発生しており、至るところに幼菌が顔を出していた。
皿伏山は見るべきものなし。
ちっとも休んでいないので、腰を下ろしたい気もするが、ここはあまりに殺風景だ。
緩く下っていくと、標高1800メートル付近で小湿原。
これといって、珍しい花が咲いているわけでもないが、山中の小湿原というのは、ハイカーを幸せにさせる。
再び樹林帯を下ると、大清水平。
こちらは広々とした湿原だ。
サワギキョウが咲いているかと思ったが、一つもなかった。
尾瀬沼への最後の下りでウスタケ、タマゴタケ、コガネテングタケなどを見る。
横田代から沼の周遊路に降りるまで、ほとんど人を見ない、静かな山だった。
三平下に着くとすでに1時半を回っており、大清水3時の約束ぎりぎりの時間だったので、食事もせず、三平峠を駆け登った。
高校生らしい集団とすれ違ったと思ったら、釣友のKさんとばったり出会ってしまった。
大清水での待ち合わせには、何とか間に合った。