初夏の至仏山

  【年月日】 1988年7月11日
  【同行者】 単独
  【タイム】 鳩待峠(6:10)−至仏山(8:30)−山の鼻(11:30)−鳩待峠(15:00)
  【地形図】 至仏山

 鳩待峠を歩き出したのは6時過ぎ。

 ウィークデーのため、静かな至仏だ。
 傾斜が出てきたあたりで、シラネアオイとサンカヨウの花を初めて見た。

クモイイカリソウ
燧ヶ岳と尾瀬ヶ原を望む

 オヤマ沢ノ田代で一服した。
 ここからの登りで見たのは、クモイイカリソウ、ツマトリソウ。いずれも初めての花。
 森林限界が近づくと、ミツバオウレンとイワカガミが盛んにあらわれだした。
 イワカガミほど鮮やかではないが、ミツバオウレンの清楚な白い花はとても印象的であった。コミヤマカタバミは花が閉じていたので目立たなかった。

 森林限界を抜けると、すばらしいお花畑で、ハクサンイチゲ、チングルマ、シナノキンバイ、イワカガミ、ハクサンチドリ、ハクサンコザクラなどが、至る所に咲き競っていた。

 8時半過ぎに頂上。思っていたより余りに早く着いた。

 この分なら尾瀬ヶ原も見られると思って、早々に下った。高天ヶ原にもクモイイカリソウが咲いていた。

 山の鼻への下りはすべりやすいので、うんざりしつつ山の鼻におりる。
 山の鼻では研究見本園を一回り。
 ギョウジャニンニク、カキツバタ、カラマツソウ、ヒオウギアヤメなどが咲いている。

コバイケイソウ
ニッコウキスゲ

 ニッコウキスゲもあるにはあるがまだ少し早い。
 北西の角のあたりでヤナギトラノオが黄色の花をつけていた。

 そのあと、原へ向かった。サワラン、トキソウ、オゼヌマタイゲキなどがちらほら。
 小雨が降りはじめると、そうでなくても少なかったハイカーは、みんなどこかへ消えてしまった。

 原の真ん中で左に折れ、ヨッピ橋から竜宮を回って山の鼻へと戻った。
 休憩所で少し休んで、鳩待峠への道を歩きだす。

 ここにシラネアオイがまだいくつか咲き残っているのではないかと期待したが、見あたらなかった。
 それでも、ヤグルマソウやオオレイジンソウが咲いていた。

 鳩待峠に戻ったら、車幅灯をつけっぱなしだったため、バッテリーがあがってしまっており、たいへん困った。
 しかし、サイドブレーキをおろすと車体が自然に動きだしたので、そのまま押しがけでエンジンを掛けて帰った。