水郡線矢祭山駅の対岸の駐車場が、出発点。
友情の森というレジャー施設の中を通って、登山道へと向かう。
除草剤の撒かれた園内に、ムジナタケや名前のわからないきのこが出ていたが、あまり気持ちのよいものではない。
登山道の始まる小ピークまでは、アカマツ林を伐採してヤマボウシやバラなどを植栽したようだ。
伐採のために荒れて、かこう岩の露出した斜面を切って、階段道が造ってあり、のり面は、吹き付け処理をした上に、ネットで覆ってある。
ネットが見えたところは、蛇の腹みたいで、気持ちが悪い。
ワラビが群生しているが、二人とも、手を伸ばす気にもなれずに、黙って歩いた。
階段道が尽きる小ピークのところには、アブラツツジの大木があって、みごとな花を咲かせていた。
その先は、自然の雑木林。アカマツや雑木の葉が散り敷いた林床には、ギンリョウソウが、白い首をもたげていた。
硬い気持ちが、ようやく、ほぐれてきた。
尾根道には、コシアブラやタカノツメの木が多い。
いずれも、食べるには、時機を逸してしまったが、ちょうど、花を咲かせていたタカノツメのことは、友人に教わるまで、知らなかった。
アブラツツジは、そこここに、可憐な花をたくさん、ぶら下げていた。
アブラツツジ
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前方に林道が見えてくると、少しヤブっぽくなり、ウルシが多い。
暑いが、長袖の裾を伸ばして、避けながらいった。
しばしの道路歩きだが、細いウドや、ハクウンボク、コウゾの若い実、ギボウシなどが出ていて、見るものには、事欠かない。
赤茶色の可愛いきのこが出ていたが、名前は、二人とも、わからなかった。
道ばたのマンサクやアセビが、意味なく枯れているのが、とても気になった。
アカマツ林なので、薬剤散布をしたのかとも、思った。
檜山への道に入ると、涼しい雑木林。
斜面は、秋にはきのこがたくさん出そうな感じ。
ジグザグの急登しばしで、やさしいお顔の石仏がたたずむ、山頂への分岐。
石仏には、寛政三年の銘があった。
約200年前。
ここも、長い生活の歴史を刻んだ山なのだ。
ハクウンボク
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分岐から少し登ったところが、二基の祠の建つ、展望所。
三角点は、少し先にあったが、展望皆無の伐り開きなので、大休止は、もちろんここ。
ムラサキシメジにいるウジ虫は、きのこが地中にあるときか、それとも、発生してからか。
はたして、どの段階で侵入するのか、大声で議論しながら登りつくと、年輩のご夫婦が静かに休んでおられたので、まことに恥ずかしい思いをした。
この日は、酒を持参し忘れたのが、残念。
でも、カレーをメインに、ウドや野菜を食べながら、のんびりできた。
横になっていると、ホトトギス、ヤマガラ、センダイムシクイなどの声が、遠くから聞こえた。
帰りは、小ピークから南側の階段道を下ったが、登りと似たような感じだった。
地面から出ていた名前のわからないきのこや、アカマツの切り株に出ていたヒトクチタケなど見ながら、ゆっくり下った。